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    くさかべ

    @monimoni_are

    ↑成人

    すっかりケイゴ。ウルケイかモイケイのケイゴ受け。
    何かあったら↓まで
    拍手をぽちぽちして頂けるだけで元気が出ます。
    無駄にツールが沢山ありますがお好きなのでどうぞ。

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    くさかべ

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    今日も割とモイケイだよ!マガミケイゴには風邪を引かせていいっていうのが大きい。だって白雪姫だからね。ちょうどその辺を擦っています。

    #モイケイ
    moikei

    毎日SS8/27「……こんなもんか」
     シャワーでバスタブを洗い流し、モリヒトは息を吐いた。殆どの家事を取り仕切るモリヒトにとって、風呂掃除は数少ない担当外の家事だ。しかし、本来の担当であるケイゴが風邪を引いたため、快復するまでの間だけ交代した。
     最初にとやかく口を出した分、風呂は毎日綺麗に掃除されている。蛇口に水垢が溜まっているような気がするが、細かいことはいいだろう。
     ニコの魔法の影響か、頭の中がふわふわする。普段のモリヒトなら、水垢一つ見落とすこともなくステンレスを磨き上げるはずだ。
     手にしたスポンジと水垢の残った蛇口を見比べ、ゆっくりと立ち上がった。ケイゴの様子を見に行こう。
     洗面所を出てすぐ、向かいのドアをノックした。寝ているのか、返事はない。
    「ケイゴ、入るぞ」
     家主に構わず部屋を開ける。余程やましいことがない限り鍵は掛けないのか、無施錠の部屋はあっさりドアが開いた。
    「……寝てるか」
     ベッドで寝息を立てるケイゴを見つけ、小さく呟く。
     今日は風邪を引いたにも関わらず、ニコの魔法に振り回されて散々だっただろう。
     ベッドに腰を掛け、冷却シートが貼られた額を撫でる。熱を受けて生温かくなったシートを、枕元にあった新しいものに貼り替え、前髪を下ろした。体はまだ熱い。
    「ん……モリヒト……?」
    「悪い、起こしたな」
    「……大丈夫」
     ケイゴの目が開き、そのまま目が合った。
    「あ、おでこの冷たい」
    「ぬるくなってたから替えておいた」
    「ありがと」
    「他に何かあるか?」
     もぞもぞと、毛布の中でケイゴの手が動き、額に触れる。額の冷却シートを確認して、布団の上に手が落ちた。
    「んー、別にない」
    「そうか」
     布団からはみ出た腕を丁寧に持ち上げ、毛布の中に戻す。寒気は訴えてこないが、熱はまだ高そうだ。
     まだ寝ていた方がいい。余り長居をしてはケイゴの負担になる、と部屋を出ようとした。
    「どうした?」
     立ち上がる時に違和感を覚え、ケイゴを見る。毛布の中にしまった筈のケイゴの手が、モリヒトのTシャツの裾を引っ張った。
    「あ……いや、」
     モリヒトの声に、ぱ、と手を離す。行き場をなくした指がそのまま毛布の縁を掴んだ。なんでもない、と言うように、毛布を頭まで引っ張る。
    「なんでもない」
     目元まで顔を出し、何か言いたげな表情で呟いた。いくら鈍いモリヒトでも、ケイゴが何かを訴えかけているのはわかる。
    「……どうした?」
     しかし、その内容までは察することが出来ず、もう一度聞いた。いつもよりトーンが優しくなったのは、病人相手だからだ。決して、ケイゴだからではない。
    「風呂、掃除してない」
    「もう掃除した」
    「ね、熱下がったかも……」
    「どう見ても下がってない」
    「えーと、じゃあ……」
     取り止めのないことを断片的に話すケイゴに、逐一突っ込みを入れる。気付けば、立ち上がりかけた腰が再びベッドに戻っていた。
     ぽん、と毛布に包まれたケイゴを撫でる。
    「あのさぁ、お願いがあるんだけど……」
    「なんだ?」
    「怒らない?」
     病人が無茶な要求をするだろうか。熱が出て弱っているのか、いつもより遠慮がちなケイゴが、丁重に伺いを立てる。殊勝な態度がおかしくて、思わず口元が緩んだ。
    「怒るわけないだろう」
     もちろん、ケイゴに対して怒ったことは山程ある。しかし、今日は多少のことを言われたとしても怒る気にはなれなかった。細かいことを気にしても仕方がない。
    「もう少しだけ、ここにいて」
    「……」
    「……移っちゃうか……」
     熱でぼんやりしているせいか、瞳は潤み、普段のようなハリのある声でもない。
     選択肢はひとつしかなかった。
    「寝るまでここに居るから、早く寝ろ」
     毛布の中に手を差し込み、ケイゴの手を握る。
    「モリヒトの手、冷たいね」
    「さっきまで風呂掃除してたからな」
     代謝の良いモリヒトは、少しだけ体温が高い。
     そういえば、ケイゴの手のひらはいつも冷たかった。
     今日はモリヒトの方が冷たい手のひらを、指先でくすぐる。
    「移ったらゴメンネ」
    「まぁ大丈夫だろ」
    「なにその自信」
     ふふ、とケイゴが力なく笑う。しおらしい姿に、ぎゅ、と手を握り締めた。
    「健康管理は徹底してる」
    「モリヒトらしいね」
    「いいから寝ろ」
     握った手を離し、毛布の上から体を撫でる。
     ケイゴになら風邪を移されても構わないし、今は細かいことはどうでもいいと思った。
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