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    くさかべ

    @monimoni_are

    ↑成人

    すっかりケイゴ。ウルケイかモイケイのケイゴ受け。
    何かあったら↓まで
    拍手をぽちぽちして頂けるだけで元気が出ます。
    無駄にツールが沢山ありますがお好きなのでどうぞ。

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    くさかべ

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    書いてる途中で何をしたいのかわからなくなってしまったので供養カテゴリ。いつだってクソデカ感情を抱くウルケイを応援しています。

    #ウルケイ
    urkanei

    毎日SS8/21 ある名をば 叮嚀に書き
     ていねいに 抹殺をして
     焼きすてる心(夢野久作・猟奇歌)
     
    「まぁ、そりゃそうだろうな」
    「命が惜しくないのか」
     付与の魔女が、不敵に笑った。濁った瞳が薄暗く光る。不快な笑みだ。
     ケイゴの前に現れた黒魔女が、初めてウルフの前に姿を見せた時、その時の勢いのまま、殺してやろうと思った。小さな蓑虫のような老婆は、ウルフが軽く握るだけで死んでしまうだろう。虫けらのような黒魔女に存在価値があるとは思えなかった。
     しかし、ケイゴがこの女と使い魔の契約をしてしまったせいで、黒魔女を殺してしまったら、ケイゴはもちろんウルフも死んでしまう。
    「別に、そんなのはどうでもいい」
     自分だけが死ぬのは構わない。ウルフがいなくなれば、ケイゴはこんな下らない魔女の諍いに巻き込まれなくて済む。
     本当は、ケイゴがこの計画に絡むことも嫌だった。ケイゴ本人が、母の足を治したいと付与の魔女と契約したようだが、ウルフはこの女を何一つ信用していない。万能薬の存在も、疑っている。
    「もう用は済んだだろ」
     嘲笑うような、キョキョキョ、という声が不快だ。
     魔女の契約は絶対である。だから、ウルフはこの小さな老婆に逆らうことは出来ない。
     隷属しているとは思えぬ尊大さで、テーブルに肘をついたままスマートフォンを弄る。
     付与の魔女と話をする時は、ウルフが交渉の椅子に座っていた。実行犯はウルフ一人だと工作するためだが、それ以上に、不快な黒魔女にケイゴを近付けたくなかった。
    「ああ、よろしく頼むよ」
     ニタリ、と口元を歪める。本当に不気味で、不快な老婆だ。
     ケイゴが決めたことなら、自分の命がどうなっても構わないが、こんな子悪党にケイゴの命をやりたくない。
     早くこの場から立ち去りたくて、隠しもせず舌打ちをする。最後にもう一度、付与の魔女は品のない笑みを混ぜ、結界を解いた。
     メモを残したスマートフォンをポケットに仕舞う。
     そのまま両手をズボンのポケットに突っ込み、薄曇りの夜空を見上げる。細い三日月が、嘲笑うようにウルフを見ていた。
     なんのために生きているのか、未だ確信を持てずにいる。狼男としての血は戦闘を求めて疼くが、それで得られるものはいっときの快感だけだ。
     ポケットから財布を出し、中に入った学生証を抜く。自分とは全く違う風貌の、冴えない少年が写っていた。
     真神圭護。もう一人の、ウルフ。正しくはウルフがケイゴの裏の顔だ。
     学生証の名前を撫ぜた。最近は、乙木守仁と仲良くなったらしく、身する度に楽しそうな記憶が流れ込んでくる。
     それは構わない。初めてウルフの存在を知った時の混乱を思えば、今は随分と安定した。
     元来、ケイゴは人懐こい性格なのだ。教室の片隅で透明になるようなタイプではない。
    「……誰か殴って帰るか」
     深く溜め息を吐いた。黒魔女と会った後は、毎回嫌な気持ちになる。
     財布の中に学生証を戻す。ウルフ、と自称しているのは、ケイゴが自分に与えてくれたものだからだ。
     ウルフにとって、真神圭護は自分のことではない。それなのに、体は一つで繋がっている。
     今日もまた、何もないふりをしてメモを残した。ウルフが立てた作戦を、逐一真面目に遂行するケイゴが馬鹿馬鹿しくて、いとおしい。
    (どうせ無意味だろ)
     アスファルトから溢れた小石を蹴った。路側に転がり、すぐに見失う。
     ウルフが立てた作戦は完璧だ。鬼がどんなに強くとも、負ける気はしない。今は、まだ見ぬ鬼と闘うことを楽しみにしている。そこに、ケイゴのためという気持ちはない。
     そう思うことで、どうにか自分を保っている。
     ケイゴが永遠を独占出来るのなら、本当は一緒に死んでしまっても良いと思っていた。
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    💖💜😭
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