目が覚めたら心なきだった件ぱちり、目が覚める。
昨日は友人たちとパラシュートで遊んだり、猫カフェに行ったり、仕事をしたりといろんなことをして、また明日ね、なんて言って自宅に帰った。間違いなく、帰ったはずだった。気がつけば家の外にいて、歩いている場所は自宅からも近くない場所。どこだったっけ、なんて少し考えても思い出せないくらいで。
見覚えのある場所をと思って歩き出して、漸くレギオンにたどり着いた頃見覚えのある顔を見つけてほっと息を吐いた。
「、」
カラフルな髪色、明るい笑い声。いつものように声をかけようとしたのに、喉から出たのは自分の声ではない誰かの声。聞き覚えはあるけれど誰だっけ、と少し考えて近くにいた友達の方に歩み寄る。友人の視線がこちらに向いたのに、何故か視線をそらされそのまま会話に戻っていく。あれ、と思ってそのまま声をかけようとしたら怪訝そうな視線がこちらに向いた。
2030