幸せのお裾分け落ち着いた雰囲気の中で静かに酒を嗜むことができる、そんなこじんまりとしたダイニングバー。店内の光量も落ち着いておりよっぽど近付かないと他人の顔の判別も難しい。お忍びで酒を飲みたい芸能人やプロヒーローなどの界隈に重宝されているバーだった。ホークスもそこを何度か利用しており、ひとりで落ち着きたいときにはよく訪れていた。そして本日もまた、いつもの定位置に座る。しかしそんな隠れ家のようなカウンターの一番隅に今日はもう一人、連れがいた。
「おい、こんなに騒がしいとは聞いてないぞ」
「う~ん、ごめんごめん。いつもならひとり飲みやふたり連れのお客さんが多いような場所なんだけど、今日は団体予約が入ってたみたいだね」
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