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    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

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    むざこく30本ノック⑤
    6日目
    デロデロに酔っ払った黒死牟を介抱する無惨様

    #むざこく
    unscrupulousCountry
    #むざこく30本ノック
    random30Knocks

    デロデロに酔っ払った黒死牟を介抱する無惨様 珍しいことがあるものだ。皆がそう思いながら、こくりこくりと船を漕ぐ黒死牟を見ていた。
    「ちょっと無理させていたからな。酔いが回ったのだろう」
     わざわざ椅子を寄せ、自分の肩に凭れ掛かるように肩を抱き寄せる無惨を見て、これが邪魔をしてはいけない、と皆が空気を読み「お先に失礼します」「ご馳走様でした」と蜘蛛の子を散らすように退散していった。
     今日は新年度の決起大会だった。ライトアップされたレインボーブリッジを見ながらの洒落たディナーだったが、それほど飲んでいない黒死牟が酔い潰れたのだ。
     年度末忙しかったからな……と皆思っていたが、皆、心のどこかで解っていた。たかだか職場の飲み会で、わざわざ、こんな良いホテルのディナーが用意されていたのは、あの二人には「この後」があるのだろう、と。
    「なんか盛ったんじゃねぇか?」
     黒死牟があんな潰れ方をするのは珍しい。病葉がぼそりと呟くと、皆が視線を反らした。良いネタゲットだぜ! と喜ぶ零余子を除いて。
     そう、病葉たちの読みは当たっている。無惨の中では働きすぎの可愛い秘書を労わってやろうという気持ちがあったとか、なかったとか。二人きりになってからの様子を誰も知らないので本心は不明だ。
     自分に凭れて眠る黒死牟の長い髪を指先に絡ませる。無防備な幼い寝顔を優しく見つめながら、耳元で何か囁くが黒死牟は意味も解らず「はい」と掠れた声で返事する。
    「仕方のない奴だ」
     テーブル会計を済ませ懐に黒いカードと領収書を仕舞うと、黒死牟を支えながらエレベーターホールへと向かう。こんなこともあろうかと37階の最上級スイートを予約していたのだ。自分と黒死牟の鞄は既に部屋に運んでもらっている。
     エレベーターはルームキーがないと使えない仕様なので邪魔する者は誰もいない。そんな状況に気を良くして、陽気に鼻歌なぞ口ずさみながらルームキーを差し込む。広いメインのベッドルームは全面ガラス張りで東京湾の夜景を一望できるのだ。ベッドの上に置かれた白いダックとカラフルなクマのぬいぐるみをどけて、黒死牟をベッドに寝かせる。
    「このままだと苦しいだろう?」
     そう、あくまでも親切心で、無惨は黒死牟のネクタイをほどき、慣れた手つきでスーツを脱がせた。ワイシャツのボタンを丁寧にひとつずつ外している時に手を掴まれた。
    「無惨様……ここは……」
     流石は黒死牟。少し酔いが覚めたようで、うつろな瞳で無惨を見つめている。しかし、赤く染まった目尻と潤んだ瞳は更に無惨を煽るような色気は放っている。
    「珍しくお前が酔い潰れたからな。少し休憩してから帰ると良い」
    「申し訳ございません……」
    「良い、気にするな。ゆっくりしておけ」
     そう言って無惨は僅かに開いた黒死牟の口に、口移しで水を飲ませる。意識が朦朧としている黒死牟は何も思わず、その水をごくりと飲み干し、再び意識を手放した。
     安らかな寝息を立てているのを確認すると、無惨は黒死牟の額に軽くキスをする。
    「素直な良い子だ」
     無惨は黒死牟の髪を撫で、優しく微笑みながら自分のネクタイをほどいた。
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    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
    3210

    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック③
    17日目
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション 何か理由があって髪を伸ばしているわけではない。
     長い髪って手入れが大変ですよね、と言われるが、実はそうでもない。短い髪の時は月に一度は散髪に行かないといけなかったが、長い髪は自分で毛先を揃えるくらいでも何とでもなる。女性と違って髪が傷むだの、枝毛がどうだのと気にしたことがないので、手入れもせず、濡れた髪を自然乾燥させることにも抵抗がない。それに短い髪と違って、括っておけば邪魔にならないので意外と便利だし、括っている方が夏場は涼しいのだ。
     つまり、ずぼらの集大成がこの髪型だった。
     特殊部隊に入った時、長髪であることにネチネチと嫌味を言われたこともある。諜報活動をする時に男性のロングヘアは目立ち易く、相手に特徴を覚えられやすいから不向きだと言われ、尤もだなと思ったが、上官の物言いが気に入らなかったので、小規模な隠密班を編成する際の長に選ばれた時、全員、自分と背格好が近く、長髪のメンバーだけで編成し、危なげもなくミッションを成功させたことがある。だが、自分の長髪にそこまでこだわりがあったわけではなく、単なる反発心だけである。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    15日目
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか
    「ほら見たか!これで恐れるものなぞ何もないわ!」とかつてないほど昂るのか、「案外大したことないわ、つまらんな」と吐き捨てるのか、「太陽の方がやはりお好きで?」「白昼にも月は出ておるわ馬鹿者」みたいな気楽な会話になるのか
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか  それは初恋の憧れに似ていた。
     手の届かない遠い存在という意味か、遠い昔の燦爛とした断片的な記憶のせいか、その強い「憧れ」が根底にあるから黒死牟とは意気投合したのかもしれない。
     自分たちにとって太陽とは最も忌むべき存在であり、その反面、強く憧れ、恋い焦がれた存在であった。
     今でも朝日を見ると、今際の際を思い出し身構える。しかし、その光を浴びても肌が焼け落ちることはなく、朝が来た、と当たり前の出来事だと思い出すのだ。

    「今日も雲ひとつない晴天ですね」
     黒死牟が車のドアを開けると、その隙間から日の光が一気に差し込む。こんな時、黒死牟のサングラスが羨ましいと思うのだが、まさかサングラスをしたまま街頭に立ち、演説をするわけにはいかないので日焼け止めクリームを丹念に塗り込む程度の抵抗しか出来ない。
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