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    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

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    むざこく30本ノック⑤
    11日目
    『零余子はある日、酒の席で黒死牟様から「無惨様に似た鬼に担ぎ上げられ手も足も出なかった屈辱話」を聞く。真偽は不明だがインスピレーションが湧き新作を執筆し世に出す。後日なぜか上司の機嫌が悪くて…またワタシ何かやっちゃいました?』

    #むざこく
    unscrupulousCountry
    #むざこく30本ノック
    random30Knocks

    『零余子はある日、酒の席で黒死牟様から「無惨様に似た鬼に… どうもー!
     れいよし、こと零余子です!
     最近、仕事が忙しくて全然新刊が出せてないんですけど、ネタだけは豊富なんですよね。

     それは忘年会の時だったんですけどね、無惨様も黒死牟様も物凄く飲んでて、そんなに飲んじゃったら今夜、お楽しめないじゃないか! と心配になりながら見守ってたんですけどね……なら、突然、誰かが「無惨様と黒死牟様って喧嘩したら、どっちが強いんですか?」なんて聞き始めたんですよ。

    「私の方が強いに決まっているだろう」
     ふふんっとドヤ顔で言う。雇用主というバフを解除したら? と質問すると、それでも自分だと無惨は主張する。
     確かに無惨もあらゆる武道の有段者であり、なかなか良い体をしていことを皆が知っている。勿論、素手で人を殺せるタイプである。
     そんな無惨を見ながら黒死牟は余裕綽々と言った様子で笑う。
    「まぁ、無惨様もお強いですからね」
    「なんだ、その言い方は」
     無惨も強いが、黒死牟と戦うとなると体格差の時点で明らかな不利が発生する。いくら無惨が強いと言っても特殊部隊出身の黒死牟とは勝負にならないのだ。
    「やってみないと解らないだろう」
     無惨はワイシャツの袖を捲り、黒死牟にウザ絡みしている。
    「戦わなくても解っています。無惨様では私に勝てません」
     そんな強いのに、自分より弱い無惨にベッドではあれやこれやされて泣かされるって超エロくね? と零余子は酔いが覚め、猛スピードでタブレットにネタを打ち込んでいる。
    「ですが、無惨様にそっくりな、あの鬼には手も足も出なかったですね……」
    「黒死牟」
     ピリッとした空気が二人の間に流れる。
     無惨様にそっくりな鬼? 黒死牟は一体何の話をしているのだろうか。
     皆が首を傾げていると「酔っ払いの戯言だ」と無惨は手を叩いて話を切り上げた。
    「ほら、酔いが覚めたから飲み直すぞ。シャンパンを開けるぞ」
     そう言って無惨は高級なシャンパンをポンポン開けて、皆、水のように飲んでいる。
     その後はどうやって皆帰ったか解らない。
     酒を一滴も飲んでいない未成年の獪岳がそれぞれをタクシーに押し込んで片付けてくれたみたいだ。勿論、無惨と黒死牟は同じタクシーに押し込み、黒死牟のマンションに帰るように伝えた。
     その後、二人がどうなったか知らないが、二人もその時のことをよく覚えていないのではないかと思う。
    「酒如きで潰れるなど、情けないぞ、私の月」
     青い爪先で火照った黒死牟の頬をいとおしそうに撫でる。目の前で堂々と浮気する主を見て、六つ目の鬼は露骨な咳払いをした。
    「そう妬くな、私の月」
    「月はふたつもいらんでしょう」
     体から産み出した無数の目を持つ刀を握り、その切っ先を黒死牟に突き立てようとした瞬間、意識を失っていた筈の無惨が起き上がって六つ目の鬼の手を掴んだ。
    「私の黒死牟に何をする」
    「揃いも揃って『私の』『私の』と……」
    「よせ人間。お前はそこに転がっている私の月より弱いであろう」
     無惨によく似た鬼が笑うと無惨は不愉快そうに舌打ちする。
    「私が黒死牟より弱いと? 寝言は寝て言え。あと、黒死牟は私のものだ。お前ごときが『私の月』などと呼ぶな」
    「随分と威勢が良いことだ」
    「それに無惨様より、よほど私のことを大事にしてくださっていますね」
    「お前たちも私たちと同じ名なのか……?」
     黒死牟を庇いながらも無惨が不思議そうに二人を見つめるので、鬼の無惨は爪先で無惨の額を弾くと無惨は一瞬で意識を失った。
    「これは夢だ、綺麗に忘れろ」
     そう言い残して、鬼と無惨と六つ目の鬼は姿を消した。

     翌朝。黒死牟は無惨の悲鳴で目を覚ました。
     洗面所の鏡を見た時に額に小さな痣が出来ており、美しい顔に傷がいったと気が狂ったかのように大騒ぎしていた。
    「酔っ払って、どこかにぶつけたのでしょう」
    「私としたことが……」
     大急ぎで保冷剤で額を冷やすが無意味だと解っている。その上、何と無く不愉快な夢を見たようで機嫌が頗る悪いのだ。
    「あんな男が私の黒死牟を『私の月』と呼ぶなんて……」
     覚えていたのか。黒死牟はてっきり自分だけが見た夢なのかと思っていたが、やはり時々あの鬼二人にエンカウントしているのは幻ではないのだな、と再確認した。
     そんな夜の幻を知らない零余子は新刊で「鬼の無惨×秘書」の話を書いて、いつも以上に黒死牟にこっぴどく怒られた。
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    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック⑤
    25日目
    某映画賞の授賞式で某イケメン俳優がしていたスタイルを、無惨様がなさるお話が読みたいです。それを初めて見た黒死牟の反応も知りたいです。
    フレームレスメガネ、黒タートル、黒系ジャケット、シルバーアクセの、顔とスタイルが良くなければ絶対似合わないあれです。

    普段はスーツでしょうし、無惨様は裸眼だと思うのでどういう状況だろう…とは思いますが、絶対お似合いになると信じてい
    某映画賞の授賞式で某イケメン俳優がしていたスタイルを、無惨様がなさるお話が読みたいです。 黒死牟がテレビの画面を見ながら、思わず感嘆の声を漏らした。一体何事かと思い、ソファに寝そべってタブレットを見ていた無惨は、テレビの画面に視線を移した。
     それは某映画賞の授賞式の中継だが、優秀助演男優賞を受賞した面々がレッドカーペットを歩く姿を、じっくりと見入っているのだ。
    「美しいですねぇ……」
     どの俳優を指しているかは一目瞭然である。そう、黒死牟は超がつくほどの面食いなのだ。国宝級イケメンとの呼び声高い無惨を彼氏に持つ黒死牟が見惚れてしまうほど、その俳優は美しかった。
     黒いハイネックのセーターに黒いスーツ、そして首元に輝くシンプルなパールジュエリー。どこを取っても隙のない美しさだというのに、それより何より美しいのが顔面で、その顔面の魅力を倍増させる眼鏡の破壊力。無惨は少々不貞腐れながらも冷静に分析していた。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    17日目
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション 何か理由があって髪を伸ばしているわけではない。
     長い髪って手入れが大変ですよね、と言われるが、実はそうでもない。短い髪の時は月に一度は散髪に行かないといけなかったが、長い髪は自分で毛先を揃えるくらいでも何とでもなる。女性と違って髪が傷むだの、枝毛がどうだのと気にしたことがないので、手入れもせず、濡れた髪を自然乾燥させることにも抵抗がない。それに短い髪と違って、括っておけば邪魔にならないので意外と便利だし、括っている方が夏場は涼しいのだ。
     つまり、ずぼらの集大成がこの髪型だった。
     特殊部隊に入った時、長髪であることにネチネチと嫌味を言われたこともある。諜報活動をする時に男性のロングヘアは目立ち易く、相手に特徴を覚えられやすいから不向きだと言われ、尤もだなと思ったが、上官の物言いが気に入らなかったので、小規模な隠密班を編成する際の長に選ばれた時、全員、自分と背格好が近く、長髪のメンバーだけで編成し、危なげもなくミッションを成功させたことがある。だが、自分の長髪にそこまでこだわりがあったわけではなく、単なる反発心だけである。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    15日目
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか
    「ほら見たか!これで恐れるものなぞ何もないわ!」とかつてないほど昂るのか、「案外大したことないわ、つまらんな」と吐き捨てるのか、「太陽の方がやはりお好きで?」「白昼にも月は出ておるわ馬鹿者」みたいな気楽な会話になるのか
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか  それは初恋の憧れに似ていた。
     手の届かない遠い存在という意味か、遠い昔の燦爛とした断片的な記憶のせいか、その強い「憧れ」が根底にあるから黒死牟とは意気投合したのかもしれない。
     自分たちにとって太陽とは最も忌むべき存在であり、その反面、強く憧れ、恋い焦がれた存在であった。
     今でも朝日を見ると、今際の際を思い出し身構える。しかし、その光を浴びても肌が焼け落ちることはなく、朝が来た、と当たり前の出来事だと思い出すのだ。

    「今日も雲ひとつない晴天ですね」
     黒死牟が車のドアを開けると、その隙間から日の光が一気に差し込む。こんな時、黒死牟のサングラスが羨ましいと思うのだが、まさかサングラスをしたまま街頭に立ち、演説をするわけにはいかないので日焼け止めクリームを丹念に塗り込む程度の抵抗しか出来ない。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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