春のお届け便/廻あざ「今日もお疲れー。車回してくるから、あざみーはここで待ってな」
「はい、わかりました」
とある都市伝説が絡んだ案件の調査をしている私達は、午後から現場付近の公園で聞き込みを行っていた。比較的順調に進み、噂の詳細を知っていそうな人物のことまで突き止めることができたんだけど、その人は既に公園を後にしており調査は中断。明日またやってくるとのことだったので、今日はもう早めに切り上げることになった。
車の鍵を手にしながら駐車場へと歩いて行くジャスミンさんの背を見送ると、もう少し他の情報を集めたいと思った私は鞄の中からスマートフォンを取り出し、SNSのアプリをタップした。検索ワードを入力してスクロールをするが、これといったものはなかった。明日また頑張るしかないかと思ったところで、ひらりと小さなものが上から落ちてきた。
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