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    imoyam

    @mayuka0284

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    遠ちかワンドロ・ワンライ様よりお題お借りしてます。
    チンオナです。
    ※迷走しました

    #一カラ
    oneKaraoke

    センバツ⚾️「第六回! センバツ〇×?※▽★&◇%大会~!」
    「なんて?」
    とても楽しそうなおそ松兄さんに、チョロ松がツッコミを入れる。
    カジノアカツカ恒例、従業員とオーナーによる真剣勝負が幕を開けた。
    といっても、半分はお遊びだ。
    各セクションから推薦あるいは指名された従業員が、自分の得意分野でそれぞれ競い合い、最後はオーナーと対決。
    勝てば何でも欲しいものが与えられる。これまでの優勝者は、ある者は賞金を、ある者はバカンスを、ある者は自セクションの環境改善を求め、叶えられてきた。
    法に触れず、かつカジノの予算が許す範囲であれば基本的に何でも良いらしい。
    日々、技術を磨き向上させるのは、このセンバツ大会の為という人も少なくない。
    結果的に従業員全体のレベルが上がるので、会社としても悪くない、Win-Winだろう?というのが、発案したオーナーの弁だ。

    おれは今回、初めてセンバツに参加することが認められた。「二十一世紀枠」だそうだ。
    オーナーの指名なので、選ばれたことに最初は反感を買ったけど、何を言われようが気にしないことにした。
    ずっとずっと欲しかったものに、手が届くかもしれない。こんなチャンスをみすみす逃すわけがない。
    路地裏で野良猫に育てられたおれを、引き取ったのがオーナーだった。
    父というには若く、兄というには少し年が離れている。
    社会生活に少し……だいぶ難があったおれを、オーナーは根気強く教育し、育ててくれた。
    感謝しているし、あまり表に出さないけど尊敬もしている。
    それでも、いつまでもオーナーの庇護下でぬくぬくしているわけにはいかない。
    おれが欲しいものははっきりしている。

    予選を勝ち抜き、決勝でオーナーとまみえる。
    勝負はルーレット、バカラ、何でもいいが、おれはポーカーにした。
    「よくここまで勝ち進んできたな、一松」
    目の前のオーナーはとても機嫌が良いようで、鼻歌でも歌いそうなくらい笑顔だ。
    「ゲームに入る前に、聞いておこう。お前の欲しいものは何だ?」
    きた。ドクドクうるさい心臓に落ち着けと言い聞かせて唇を開いた。
    「――オーナーが欲しい」
    「んん!?」
    じっと見つめると、カラ松は慌てたようにちょっと待て、と声を上げた。
    「オーナーの座が欲しいってことか!? いずれお前に譲るつもりではあったが、まだちょっと早いんじゃ……」
    「ちげーよポンコツ」
    勝負の審判を務めるチョロ松が呆れた顔になった。
    「もう一度分かるように言ってやれ、一松」
    まさか通じないと思っていなかったおれは少し焦り始めた。
    「えっと……カラ松はおれの唯一で……カラ松にもおれ一人にして欲しいっていうか……」
    「この世の人間一人ひとり代わりなんていない。もちろん一松もたった一人しかいないかけがえのない存在さ!」
    「いやいや、何こんなとこですれ違ってんの!? 一松兄さん、この人天然なとこあるんだからバシッと言ってやって!」
    見守っていたトド松が叫ぶ。
    「あー……カラ松と、家族になりたい」
    「えっ……オレは、一松と家族になれてなかったのか……?」
    いつもはきりりとした眉が悲しそうにゆがむ。
    「オーナーはときどきぼくよりバカだよね……」
    同じく見守っていた十四松がぽつりとつぶやいた。
    こうなったら直球で行くしかないと腹を決める。
    「か、カラ松が欲しいです!」
    「オレ? オレをどうするんだ?」
    きょとんとしたカラ松に、猫背がさらに丸まってしまう。どうしよう、どうしたら分かるんだ?
    「いちまつぅ、お前の気持ちをちゃんと言えよ。じゃなきゃこのバカ分かんないよ?」
    おそ松兄さんにパシッと背中をたたかれて、猫背が伸びた。
    「おれはっ、カラ松が好きです! だから、おれと、け、けっこんして、ください!」
    「一松……!」
    カラ松が目を見開く。どうだ、これで伝わるか!?
    「同性婚はまだ法整備されていないから、難しいんじゃないか?」
    真顔でマジレスされた。何で打ちやすいストレート投げてるのに空振りすんの……?
    呆然としていると、カラ松はスウっと冷たく目を細めた。
    「それに、そういうことは優勝賞品として望むことじゃないんじゃないか」
    オレの意思を無視されるのは気に入らない、という言葉にうなだれる。
    そりゃそうだよね。優勝したから付き合ってくださいなんて、ただの押し付けだ。
    「一松」
    有無を言わさない声に渋々顔を上げると、厳しい顔つきのままカラ松は言った。
    「誠意をもって相手に接するよう、教えてきたつもりだったが、伝わってなかったようだな」
    「ごめんなさい……」
    「相手にも選ぶ権利がある。相手を尊重しないやり方はやめなさい」
    「はい……」
    よろしい、と頷き、カラ松は仕切りなおすようにこほんと息をついた。
    「そのうえで、もう一度」
    「え?」
    「誠意をもって、ワンモアだ」
    バチンとウインクをされ、おれは深呼吸をした後、腰を九十度に折り右手を差し出した。
    「ずっと前から好きでした! おれと付き合っていただけますか!?」
    「オフコース!」
    ぎゅっと右手を握られ、嬉しさでじわりと涙が浮かんだ。

    「何だこの茶番」
    チョロ松が真顔で呟いた。
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