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    棚ca

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    棚ca

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    月島に完璧な自分以外を見せて、鶴ちゅ(切実)

    #鶴月
    craneMoon

    現パロ鶴月SS 五目ラーメンと半チャーハン、餃子がセットのAランチを黙々と食べる月島を鶴見はご満悦な様子で見つつ、しれっと餃子を二個ほど取って食べていた。その分、鶴見本人が注文した油淋鶏を月島の皿に乗せていた。油淋鶏は衣がレモンの風味が香るさっぱりとした味付けで、軽く食べることができたがそれはそれとして白米と一緒に食べたいと月島は思った。その雑念を晴らすかのように月島は五目ラーメンを啜る。
    「酢を入れたいです」
     ふとそう言って周りを見渡す月島に鶴見は「卓上にはないみたいだ」と言ったが、月島には水の入ったジャーの影にそれらしき容器の影が見えた。鶴見からは完全に死角なのであろう。黙ったままそれ引っ張り出すとやはり醬油や酢、ラー油の容器が乗った小さなトレイだった。そのまま鶴見の視線を受けながらも特に何も言わずにラーメンに酢を注いでいると、鶴見はゆったりと微笑んで言った。
    「よく私の嘘を見破ったな? 流石だ」
     月島はそれなりに悩んだがやはり静かに「…………はい」とだけ返事した。少し歯切れの悪い返答を聞いた鶴見がジッと月島を見やると月島はラーメンを喉に詰まらせて軽く咳をした。鶴見がにこやかに首を傾げるので、月島は赤い顔で途切れ途切れ言う。
    「酢、を、ケホッ……入れすぎたみたいです」
    「そうか。お前は可愛いな」
    「ありがとうございます」
     月島はあまり意味も分からずそう返し、ともあれこのことは自分の胸のみに留めておいた方が良さそうだと思った。鶴見が店員を呼び止めて桃饅頭とゴマ団子を両方とも頼んでいるので、止めたく思った。だって今朝だってクリームパンを食べていたのに、甘いものの食べすぎた。しかし何も言えなかった。何故こうも自分が引け目を感じなければいけないのか、月島は理不尽に思ったが、たくさん来た甘味を一切れずつ月島に食べさせる鶴見は大層ご機嫌だった。
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    棚ca

    MEMO新刊のあとがきなんですけど、鶴月腐女子ワイのネチョッとした魂が詰まってるのでコチラだけでも楽しんでいただけると幸いです。すぐ「〇〇(推しカプ)は事実で真理」って言うタイプの腐女子を許して…
    新刊あとがき 便宜上、あとがきではありますが、前置きです。鶴月って正史なんですよ。娘を喪った鶴見と父親から虐待されていた月島が、良き指導者と良き生徒という擬似親子をなぞり、二人とも愛する者と結ばれなかった傷を抱えながら戦場で夫婦以上の親愛関係を結ぶ。そこに鶴見は手間隙かけた嘘で月島に鎖を幾重にも巻いている。恋愛と分類するのがかえって躊躇われる重たさですが、特筆すべきはその執着です。
     そもそもで言えば、鶴見が死刑囚の月島を救うために行った偽装工作も大掛かりすぎやしませんか。駆逐艦を持つ将校の子でも第七師団長の妾の子でもない、優秀とはいえただの下士官相手に。月島の有能ぶりに目をつけるのが異様に早いように感じます。死刑囚を釈放させるのも相当な手間だったと思いますし、そのために死体(どこにあった誰のものだったんだろう)を用意して、月島の家の下に埋め、島民の前で掘り起こしている。それを八年越しに明かすために佐渡の人間を用意する。余談ですが、鶴見にここまでされて自己肯定感が下向きに行く月島もある意味才能かなと思います。
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