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    村人A

    @villager_fenval

    只今、ディスガイア4の執事閣下にどハマり中。
    小説やら色々流します。

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    村人A

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    執事閣下が書きたすぎて書き殴った小説です。
    30分クオリティなので、その辺はご容赦ください。余裕がありそうでない攻め大好き。

    #執事閣下
    deacon

    あなたと、深まる夜を共にひとつの部屋、ひとつのベッドの上に腰掛けるふたり。
    今宵は満月。“そういう”行為をしようという約束の日。
    主であるヴァルバトーゼは、約束というものを絶対に守るという信条がある。
    だが関係を結んでから然程時が経っていないためか、ヴァルバトーゼは緊張の面持ちで俯いており、相手でありシモベのフェンリッヒを見ようともしない。
    いざ部屋にふたりきりになったとて、中々そういう方面に持っていけなかった。
    元々ヴァルバトーゼは欲が薄い。尚且つ受け入れるどころか、そういう行為すら経験があまりない。
    だがフェンリッヒは、そうも待っていられない。これだけで夜が明けてしまうし、そもそもは主の魔力の足しになるであろう、と始めたことだ。
    聞こえない程度の息を吐くと、フェンリッヒの手が動く。静かな部屋では、ジャケットの衣擦れの音すら鮮明に聞こえる。
    褐色の大きな手は、主の細い足に伸び、太ももを優しく撫でた。
    突如触れられたヴァルバトーゼは、大袈裟に身体を震わせる。

    「フェンリッ──」
    「──ヴァル様。…あなた様に触れるお許しを、頂けませんか」

    ようやく目があった。赤い顔で震える主の目を、真鍮色の鋭い瞳が撃ち抜く。

    「あなた様は、何もしなくていいのです。ただ、お許しさえ頂ければ、わたくしはそれでいい」
    「……っ」
    「ヴァル様…お嫌ですか」

    少し寂しそうな目をするシモベから、目を背ける。震える唇は、何か言葉を紡ごうとしており、静かにそれを待つ。

    「……嫌だ、とは…言って…おらんだろう…」

    フェンリッヒの心臓が、いやに跳ねて鼓動を早める。
    循環した血液が身体を温め、くっ付いた手から高い温度がヴァルバトーゼの足に染み渡る。

    「…?おい、どうし──」

    足から離れた手は、肩を優しく掴み、その身体をゆっくりとベッドに押し倒す。

    「まっ、待て、フェンリッヒ!」
    「……それは、失礼しました。今のは『良し』ということなのかと思いまして」

    片手はベッドに縫い付けたまま、もう片方の手がヴァルバトーゼの手を掬い上げ、甲に柔らかな口付けを落とす。

    「ですが、ヴァル様。『待て』をするということは、きちんと『ご褒美』も頂けるのですよね?」
    「う……こ、こっちはお前ほど余裕などない。そう急かされたとて──」
    「わたくしには余裕がある、ですか」

    フェンリッヒは、ヴァルバトーゼの片手を自分の胸に当てる。
    主の手には、早い鼓動が伝わってきた。

    「余裕があるなどと、決め付けないで頂きたい。わたくしは今、あなたを滅茶苦茶にしたいのを必死に抑えているのですよ」
    「よ、よくそんなことを恥ずかしげもなく…」
    「はっきり申し上げないと、伝わらないでしょう?まあ、そういうことですので──」

    片手だけ自由にさせていたが、フェンリッヒはヴァルバトーゼの両手を纏めて、片手でベッドに縫い付ける。

    「そろそろ、お許しを頂けませんか?」

    まだどこか、余裕がありそうに見えるが、隠しきれない欲が垣間見える。
    『待て』は聞いても、『やめろ』は聞かないだろう。

    (…いや、俺が言えば従うのだろうが、それは…少し、酷か…俺も、腹を決めねばならん)

    熱に浮かされた頭で、ヴァルバトーゼはそう思った後、小さく息を吐いた。

    「…わかった。もう『待て』は言わん…好きに、するがいい」
    「それがどれだけ危険な煽り文句なのか、お分かりにはなられないのでしょうね……」
    「何がだ?」
    「…いいえ、何でもございません。それでは、お言葉に甘えましょうか──」

    唇が、舌が触れ合う。
    離れたシモベの顔は、すでにシモベではなく、ひとりの男に切り替わっていた。
    今宵も、ふたりだけの時間が始まる。

    悪魔には似つかわしくない、『愛してる』なんて言葉を、たまに交わし合いながら──その夜は、深まっていく。

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    🙏❤❤
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    last_of_QED

    DOODLE主人に危機感を持って貰うべく様々なお願いを仕掛けていくフェンリッヒ。けれど徐々にその「お願い」はエスカレートしていって……?!という誰もが妄想した執事閣下のアホエロギャグ話を書き散らしました。【信心、イワシの頭へ】



    「ヴァルバトーゼ閣下〜 魔界上層区で暴動ッス! 俺たちの力じゃ止められないッス!」
    「そうか、俺が出よう」

    「ヴァルっち! こないだの赤いプリニーの皮の件だけど……」
    「フム、仕方あるまいな」

    何でもない昼下がり、地獄の執務室には次々と使い魔たちが訪れては部屋の主へ相談をしていく。主人はそれに耳を傾け指示を出し、あるいは言い分を認め、帰らせていく。
    地獄の教育係、ヴァルバトーゼ。自由気ままな悪魔たちを良く統率し、魔界最果ての秩序を保っている。それは一重に彼の人柄、彼の在り方あってのものだろう。通常悪魔には持ち得ない人徳のようなものがこの悪魔(ひと)にはあった。

    これが人間界ならば立派なもので、一目置かれる対象となっただろう。しかし此処は魔界、主人は悪魔なのだ。少々横暴であるぐらいでも良いと言うのにこの人は逆を征っている。プリニーや地獄の物好きな住人たちからの信頼はすこぶる厚いが、閣下のことを深く知らない悪魔たちは奇異の目で見ているようだった。

    そう、歯に衣着せぬ言い方をしてしまえば、我が主人ヴァルバトーゼ様は聞き分けが良過ぎた。あくまでも悪魔なので 7025

    last_of_QED

    MOURNING世の中に執事閣下 フェンヴァル ディスガイアの二次創作が増えて欲しい。できればえっちなやつが増えて欲しい。よろしくお願いします。【それは躾か嗜みか】



    この飢えはなんだ、渇きはなんだ。
    どんな魔神を倒しても、どんな報酬を手にしても、何かが足りない。長らくそんな風に感じてきた。
    傭兵として魔界全土を彷徨ったのは、この途方も無い飢餓感を埋めてくれる何かを無意識に捜し求めていたためかもしれないと、今となっては思う。

    そんな記憶の残滓を振り払って、柔い肉に歯を立てる。食い千切って胃に収めることはなくとも、不思議と腹が膨れて行く。飲み込んだ訳でもないのに、聞こえる水音がこの喉を潤して行く。

    あの頃とは違う、確かに満たされて行く感覚にこれは現実だろうかと重い瞼を上げる。そこには俺に組み敷かれるあられもない姿の主人がいて、何処か安堵する。ああ、これは夢泡沫ではなかったと、その存在を確かめるように重ねた手を強く結んだ。

    「も……駄目だフェンリッヒ、おかしく、なる……」
    「ええ、おかしくなってください、閣下」

    甘く囁く低音に、ビクンと跳ねて主人は精を吐き出した。肩で息をするその人の唇は乾いている。乾きを舌で舐めてやり、そのまま噛み付くように唇を重ねた。
    吐精したばかりの下半身に再び指を這わせると、ただそれだけで熱っぽ 4007

    last_of_QED

    BLANK【5/24 キスを超える日】ほんのり執事閣下【524】



     かつてキスをせがまれたことがあった。驚くべきことに、吸血対象の人間の女からだ。勿論、そんなものに応えてやる義理はなかったが、その時の俺は気まぐれに問うたのだ。悪魔にそれを求めるにあたり、対価にお前は何を差し出すのだと。
     女は恍惚の表情で、「この身を」だの「あなたに快楽を」だのと宣った。この人間には畏れが足りぬと、胸元に下がる宝石の飾りで首を絞めたが尚も女は欲に滲んだ瞳で俺を見、苦しそうに笑っていた。女が気を失ったのを確認すると、今しがた吸った血を吐き出して、別の人間の血を求め街の闇夜に身を隠したのを良く覚えている。
     気持ちが悪い。そう、思っていたのだが。
     ──今ならあの濡れた瞳の意味がほんの少しは分かるような気がする。

    「閣下、私とのキスはそんなに退屈ですか」
    「すまん、少しばかり昔のことを思い出していた」
    「……そうですか」

     それ以上は聞きたくないと言うようにフェンリッヒの手が俺の口を塞ぐ。存外にごつく、大きい手だと思う。その指で確かめるよう唇をなぞり、そして再び俺に口付けた。ただ触れるだけのキスは不思議と心地が良かった。体液を交わすような魔力供給をし 749

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    どんな魔神を倒しても、どんな報酬を手にしても、何かが足りない。長らくそんな風に感じてきた。
    傭兵として魔界全土を彷徨ったのは、この途方も無い飢餓感を埋めてくれる何かを無意識に捜し求めていたためかもしれないと、今となっては思う。

    そんな記憶の残滓を振り払って、柔い肉に歯を立てる。食い千切って胃に収めることはなくとも、不思議と腹が膨れて行く。飲み込んだ訳でもないのに、聞こえる水音がこの喉を潤して行く。

    あの頃とは違う、確かに満たされて行く感覚にこれは現実だろうかと重い瞼を上げる。そこには俺に組み敷かれるあられもない姿の主人がいて、何処か安堵する。ああ、これは夢泡沫ではなかったと、その存在を確かめるように重ねた手を強く結んだ。

    「も……駄目だフェンリッヒ、おかしく、なる……」
    「ええ、おかしくなってください、閣下」

    甘く囁く低音に、ビクンと跳ねて主人は精を吐き出した。肩で息をするその人の唇は乾いている。乾きを舌で舐めてやり、そのまま噛み付くように唇を重ねた。
    吐精したばかりの下半身に再び指を這わせると、ただそれだけで熱っぽ 4007