カイ君が花吐病になっちゃって
自覚ナシのままだったのが、「あ、俺ってそういう意味でもセンパイの事好きなんじゃん」ってなって
(あーあ、あの人にこんな感情持ちたくなかったの)
って思いながらも必死で隠してたんだけど3(サンタ就任済)がカイ君の顔を覗き込みなんで、「隈、すごいよ。体調悪い?」って気づいちゃった所からの
卑怯者の言い訳
「あ、、えっと」
床に座り込んだ俺に対して、同じ目線の高さになるようにしゃがみ込んだセンパイは真摯な心配のままに言い逃れは許さないと言っていて
だから
だから
全部じゃなくてもいい
かけらだけでも伝えてもいいのかもしれない、なんて
嘘でがちがちにコーティングした『好意』なら、受け取ってもらえるかもしれないなんて
「えっと、、」
「うん」
「あの、実は、花吐病に罹患してて。あ、花吐病は知ってるっスか?」
「うん大丈夫知っているよ。正しくは嘔吐中枢花被性疾患の事でしょう?」
「…よくこんなマイナーな病気知ってるっスね」
俺が覚える気もなかった正式病名をすらすらと口にする眼前の上司に、かっけぇ、パナイ!しゅき!とまろびでそうな言葉を何とか飲み込めば
その俺のもにょりとした表情の情報から、いっそ呆れられたと感じたであろうセンパイはぷくりと頬を膨らませながら「…この職業に就くなら情報はいくらあったっていいんだよ」なんてそっぽを向きながら言うから
(あ~~~~~~~もう~~~~~~~~~~)
息を吸うように俺を惚れさせていくアンタ、マジで凶悪すぎて
思わず己の膝に顔を埋めれば
「気持ち悪い?」
「…(自分が)気持ち悪いっす」
「カイザー君、結構末期だったり、する??」
俺の気持ち悪いの一言で一気に真剣モードに入ったらしいセンパイの硬質な問い