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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    🐇さんが子供になって振り回される周囲のお話

    #オルしる

    子供の話英雄殿が大変な目にあったらしい、と耳にして彼女がいると聞いたモードゥナへとチョコボを走らせた。彼女と親しくしているというヤシュトラが紅茶を出してくる。それに手を付けることもなくオルシュファンは彼女の安否を確認する。
    「……無事ではあるわ」
     少し考え込んだヤシュトラの返答に安心しかけるも、何か含みを感じさせられて深く問い詰めた。話しづらいことであれば無理にとは言わないが、と続けたオルシュファンに眉を下げて、彼女は手を鳴らした。間もなく幼いヴィエラを肩車したサンクレッドが姿を表した。

     どこか見慣れた面影のヴィエラの少女からオルシュファンはヤシュトラに視線を戻す。無言で深く頷いた彼女に信じたくはなかったが、と思わず漏らしてしまった。と、俯いた彼の頭頂部に温かなものが触れる。視線を上げると肩車をされたままのヴィエラがオルシュファンの頭を撫でていた。よしよし、と小さく呟きながら真剣な表情で頭を撫でてくる彼女に思わず吹き出してしまう。面食らったように一瞬手を止めたヴィエラが首を傾げる。
    「……げんき、でた?」
     心配させてしまったな、と思いながら笑顔で頷くと、嬉しそうに彼女がよかったと呟く。
    「えがおのほうがかっこいいよ」
     そう続けてヴィエラが浮かべた笑顔はやはり見慣れたもので、抱きしめたい衝動に駆られてしまった。反射的に広げた手で何かを察した様子のサンクレッドが口を開く。
    「抱き締めてやれよ」
     視線を下ろすと彼はげんなりした表情を浮かべていた。助けてくれと言わんばかりの声色で囁かれる。
    「……もう何時間もこのお転婆なプリンセスに振り回されてるんだ」
     許可が出た瞬間抱き締めてくるくると振り回してしまう。はっとして腕の中のヴィエラを覗き込むと少しの間目を回してから楽しそうにもう一回!と声を上げられた。

    「ウリエンジェは何だって?」
    「体内のエーテル濃度が薄まっていたけど、時間経過で戻るものだろうと」
    楽しそうにはしゃいで笑い合うヴィエラとオルシュファンを遠巻きに眺めながらヤシュトラとサンクレッドは小さく溜息を吐いた。そりゃよかった、と返したサンクレッドにヤシュトラは微笑みかける。
    「王子様のキスで戻るとでも、言って欲しかった?」
     はは、と笑ってサンクレッドは二人を遠巻きに眺めた。
    「白馬ならぬ黒チョコボの王子様か」
     悪くないな、と目を細めて彼等の邪魔にならないよう退散した。
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    mitotte_kazu

    PASTナマコちゃんさん(@namakomesi )『うちよその片割れを「パートナーに愛されてる自信があるほど早く開く部屋」につっこんでどのくらいで部屋から出られるか聞きたい』やつの🦍の短いお話し
    解錠 重怠い頭を押さえて、ルガディンはゆっくり身体を起こす。無機質かつ生活感のない室内の床に転がされていたようだった。どことない既視感を覚える部屋の壁には「パートナーに愛されてる自信があるほど早く開く部屋」と書かれていた。無害そうな部屋で何よりだと思い、周囲を見渡す。当然ながら窓は見当たらず、厳重に鍵がかけられた扉のみが佇んでいた。念の為ドアノブに手をかけてみるも、扉は開かない。そうだろうなと苦笑して室内にぽつりと置かれた椅子に腰を下ろした。
     さて現実逃避はここまでにしておこう。自身を愛しているとされるパートナー、と言われれば、当然彼女のことになるだろう。世間一般的にはエターナルバンドもしており、周囲もそう認識してくれている人も少なくはない。しかし情はなくとも教会の門は広く開かれ、エターナルバンドは誰かれ問わずできるものではある。そう形容すると語弊が生じるが、彼女に情がないわけではない。というかむしろ自身が思っている以上に彼女には大きな感情を抱いている恐れがある。あれほど魅力的かつ素敵な女性が自分を選んだ、などというのは正直尊大すぎる。思い上がりも甚だしい。
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    mitotte_kazu

    PASTアルバートと🐇さんの香水ネタ
    無粋と香水 部屋に戻ってきたヴィエラが疲れたようにベッドに倒れこんだ。お疲れさん、と姿を現したアルバートに疲れたぁ、と布団に顔を埋めたままくぐもった声で返す。
    「罪食い多すぎ……」
    「仕方ないだろう」
     ぼやいた彼女に彼が短く返すとうー、と何かを訴えるように呻いた。ベッドに歩み寄り、腕を組んで彼女を見下ろす。
    「ほら、飯でも食え。腹が減ってはなんとやらだ」
     わかってるぅ、と呟いた彼女がのろのろと起き上がる。と、その首元にアルバートが顔を埋めた。形容し難い声を漏らして後ずさった彼女に彼は無邪気に尋ねる。
    「香水か?」
     花の匂いがする、と首を傾げたアルバートに一瞬の間を置いてヴィエラは頷く。
    「花だけじゃないけど……」
     指を折りながら彼女が香水に含まれている植物の名を挙げていくが、幾つかピンとこないようで彼は更に首を傾げた。その様子を見てゆっくりと立ち上がった彼女が室内のドレッサーに近付く。しばらくそこを探っていた彼女がこれこれ、と綺麗な小瓶を手に彼の元へ向かって歩み寄った。ゆらゆらと彼女の手の中で揺れる瓶をなるほど、と眺めていた彼の前で、彼女は自身の手首に数回香水を吹き付ける。強く広がった香りに一瞬顔をしかめた彼があぁ、と小さく呟いた。
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