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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
    リアクションとても嬉しいですありがとうございます

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    mitotte_kazu

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    メイドの日らしいのでメイド服でご奉仕する🐇さんのお話

    #オルしる

    掃除の話 その日は夢見が悪かった。エオルゼアであったかつてのいざこざ、そしてイシュガルドで起きた事などを引っ括めたような夢で、跳ね起きるようにヴィエラは目を覚ました。周囲を見回し見慣れない室内に一瞬困惑するも、すぐにフォルタン邸の客室だと気付き脱力する。ぼふりと倒れ込んだベッドの上で深く溜息を吐いた。
     翌朝、荷物の中から目当ての装備を見つけ、満足気に頷き彼女は朝食に向かった。食事中、本日の動きについて尋ねてきたフォルタン伯爵にイシュガルドの情勢を踏まえ今日は大人しくしている旨を伝える。
    「ゆっくり休んでくれるといい」
     此処の皆の事は気にしなくて良い、と微笑んだフォルタン伯爵に礼を述べる。ゆったりとした食事と時間を堪能した後、部屋に戻った彼女はアーマリーチェストを覗いていた。
    「確かここにあった気が……」
     あった!と目的の品を引っ張り出す。手の中のメイド服を身に付け、フォルタン邸のメイド服と大した差異がないことを確認し、大きく頷いた彼女は部屋を後にした。
     オルシュファンが帰宅した時、何故か館がいつもより綺麗に見えた。首を傾げながら廊下を進んでいくと、甲斐甲斐しく花瓶を磨いているメイドがいた。声をかけると、特徴的な耳を揺らして彼女が振り返る。
    「お前は、」
     まさかの盟友の姿に目を瞬かせた彼に、彼女は悪戯っぽく笑った。
    「したくてしてるの」
     言い訳のように彼女が言うには、嫌な事があったりとかすると掃除が捗るのだそうだ。嫌な事、と深刻な表情で繰り返した彼に、慌てたように彼女は手を振る。
    「あ、ここじゃなくって、私の問題」
     嫌な夢見ちゃって、それを消したくて、つい。いつもの癖なのだと苦笑したが、それを尋ねた時点でその根源が頭をよぎるのは避けられないだろう。察したオルシュファンが険しい表情を浮かべると、彼女は困ったように笑った。
    「でもほら、こんな綺麗にできちゃった!」
     メイドさん達にはゆっくりしてって言われたけどと続ける彼女の腕を引き、彼がそっと彼女を抱き締める。不思議そうに彼の名を呼んだ彼女に、あぁ、いや、と彼が呟く。
    「うん、その格好も新鮮で非常にイイ」 
     だから今度は温かい紅茶でも淹れてもらえないだろうか、と囁いた彼が柔らかく微笑み、彼女の頭を撫でた。
    「お気に入りの店で人気のジンジャークッキーが丁度残っていてな。一緒に食べたくて」
     嫌な事は良い事で上書きしてやろう。用意したこのクッキーが残っていたのもこのためだったのだ、と力強く拳を握った彼に、彼女が恭しく礼をする。
    「承りました、旦那様」
     再度目を瞬かせた彼が、些かそれは破壊力が強い、と顔を覆い、彼女は楽しそうに笑った。
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    mitotte_kazu

    PASTヴァレンティオンを満喫している🦍と🐇の短いお話
    贈呈 毎年恒例になりつつある、海都でのヴァレンティオンの催事場巡りに今回も付き合っていた。ヴィエラに付き添っていただけの当初に比べて多少慣れてきたルガディンも、露天を覗き見比べる余裕が出来てくる。
    「これは今年の新作か」
    「そう〜!去年から定番になったこっちも美味しいよ!」
     少しわかってきたと思っていたが、やはり彼女の知識量などには勝てない。真剣な顔で次の店の品定めをする彼女の手から、戦利品の入った紙袋を苦笑しながら受け取った。ありがと、と身軽になった身体で手早く会計をすませる彼女を遠巻きに眺めていた。
    「ここの好き」
     何軒目かを巡っていた時に彼女が呟いた店のチョコレートや包装に見覚えがあった。以前貰ったものだな、と何気なしに視界に入った価格を二度見して、目を剥いてしまう。横に書かれた説明を流し見て、ブランド物のククルビーンを手間暇かけて加工してウルダハで販売している有名店だとようやく把握できた。通りで高価で美味いはずだと1人納得している横で、また真剣な表情で陳列されている商品を吟味している彼女が頷いた。これとこれください、と慣れている彼女の指がチョコレートの上を滑っていく。彼女が選んだ商品が丁寧に包まれていくのを眺めながら、パッケージまで可愛いな、などと思った。
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    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
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