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    住めば都

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    住めば都

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    #aknk版深夜の創作一本勝負 よりお題をお借りしました
    「そばにいて」でテディ夢
    風邪を引いて熱を出した主様を、看病するテディの話です。体調悪い時って心細くなりますよね。

    寒暖差と気圧の変化がエグい日々が続きますね。皆さま体調にはお気をつけて……!

    #aknkプラス
    aknkPlus
    #aknk夢
    #テディ

    ここにいるよ テディがその場に居合わせたのは、偶然以外のなにものでもなかった。なにしろ屋敷の女主人が玄関に姿を現したのは、彼女の帰宅予定よりずっと早い時間だったので。
    「あ! 主様、お帰りなさいませ!」
     平日の、日の高いうちに会えるなんてラッキー!
     そんなふうに、テディが喜びに顔を綻ばせていられたのは、ほんの束の間だった。ぼんやりと彼の名を呼んだ主人が、くずおれるように座り込んでしまったからだ。
    「主様!?」
     慌てて駆け寄ったテディは、今にも倒れてしまいそうな体を支える。体調が悪いのではと考え触れた額は、案の定、燃えるように熱かった。
    「ごめん……ルカスを呼んでもらえる……?」
     弱々しい声で言った主人が、気だるげに息をつく。途中で苦しそうに咳き込んだ彼女の背を摩ると、テディはそのままぐったりした体を抱え上げた。
    「とりあえず、お部屋へお連れしますね。そのあとで、すぐにルカスさんを呼んできますから」
     肩口に預けられた頭が上下に揺れるのを確認して、テディは階段を駆け上がった。そうして病気の主人を寝室のベッドに寝かせると、彼は看病の手筈を整えるために、文字どおり屋敷中を走り回ったのだった。

    「失礼します」
     氷枕を手にテディが主人の寝室に戻ると、ちょうど診察を終えたルカスが部屋を辞するところだった。屋敷の医療係によれば、季節の変わり目で風邪を引いたのだろうということだ。
     ルカスの診断をすぐに聞くことができたのは、ラッキーだった。一番に主人の変調に気づけたことといい、今日のテディはツイているのかもしれない。
     見るからに辛そうな彼女の姿を見るのは忍びないが、人伝に倒れたと聞かされ、大丈夫なのだろうかとヤキモキするよりはよほどいい。
    「主様……」
     急ぎの仕事があるというルカスから主人の看病を任されたテディは、枕元に寄ってそっと呼びかけた。ぴくりと睫毛が揺れて、瞼が開かれる。
     熱が高いせいだろうか。たったそれだけの動作だというのに、ひどく億劫そうに見えた。
    「氷枕を作ってきたんです。少し、頭を持ち上げますね」
     首の裏に手を差し込んで、筋や骨に負担がかからないように注意しながら頭を持ち上げる。空いた隙間に氷枕を押し込んでから、頭を元の位置に戻すと、主人は目を閉じて小さく息を吐いた。冷たい感触が気持ちいいのだろう。
    「……ありがと、テディ……ゴホゴホッ」
    「これくらい、お易い御用です。他にも俺にできることがあれば、なんでも言ってくださいね」
     うん、と目を閉じたまま肯った主人が、漸う目を開ける。声を出そうとして、また咳き込んだ。
     少しでも楽になってほしい一心で、テディは横向きに体を丸めた彼女の背を摩る。ベッドについた片手に熱を感じて視線をそちらに転じると、白い指先が彼の小指に触れていた。
    「眠ったら……テディ、は……行っちゃう?」
     その上、不安げに問われたとなれば、小さな手を振り解けるはずもない。テディは背を摩る手をそのままに、控えめに引き止めた指先を包むように握り直した。
    「大丈夫ですよ。主様がお目覚めになるまで、ここにいます。だから安心して休んでくださいね」
    「……よかった」
     ほっとした様子で呟くと、主人は力尽きたように目を閉じた。限界だったのだろう。
     やっぱり、今日の俺ってすごくラッキーかも。
     不謹慎とは思いつつ、テディは独り言ちた。だって、世界でいっとう大切なひとに、こうして必要としてもらえたのだから。
     主様が、早く良くなりますように。
     そっと握った熱い指先に、祈りを込める。すると、辛そうに刻まれていた眉間の皺が、わずかに緩んだように見えた。
     おそらくはルカスの薬が効き始めたのだろうが――それだけじゃないといいなと思って、テディは慈しむように主人の眉間をそっと指先でなぞったのだった。
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    住めば都

    DONEあくねこ、ルカス夢。
    いつもドキドキさせられて悔しい主様が、意趣返しのつもりで「ルカスは冗談ばっかり」と返したら、実は全部本気の本心だったと暴露される話。

    交渉係を務めて長い男が、自分の思いに振り回されて本音を隠せず、苦し紛れに冗談だよって見え見えの誤魔化し方しかできないのめちゃくちゃ萌えるなと思うなどしました
    いっそ全部、冗談にしてしまえたら 目の覚めるような美人ではない。愛嬌があるわけでも、聴衆を沸かせる話術を持つわけでもない。
     至って普通。どこにでもいそうな、地味で目立たないタイプ。――それが私だ。
     おおよそ三十年かけて築き上げた自己認識は、異世界で出会ったイケメン執事たちに「主様」と呼ばれ大切にされたところで、簡単に揺らぐようなものではない。
    「フフ、主様といられる時間は、本当に幸せです♪ この時間が、永遠に続けばいいのになあ……」
    「はいはい。全く……ルカスったら、冗談ばっかり言うんだから」
     上機嫌に微笑む担当執事を、私は半眼で睨みつけた。
     ルカスとアモンは、口説くようなセリフをよく言ってくる。恋愛経験の少ない私はそのたび顔を赤くしてドギマギしてしまうのだが、彼らの思惑どおりに翻弄されるのを、最近は悔しいと感じるようになっていた。
    1884

    住めば都

    DOODLEあくねこ。ナックとハンバーグの話。友情出演、ロノとテディ。
    執事たちの話題に上がるだけですが、美味しいもの大好き自称食いしん坊の女性主様がいます。
    後日、お礼を伝えられた主様は「私が食べたかっただけだから」と苦笑したそうです。

    お肉が苦手なナックに豆腐ハンバーグとか大根ステーキとか食べさせてあげたい気持ちで書きました。
    美味しいは正義 今日に夕食のメニューは、ハンバーグだ。
     食堂に向かう道すがらで会ったテディが、鼻歌混じりで嬉しそうに言うのを聞いて、ナックは落胆の気持ちを曖昧な笑顔で濁した。
     ナックは肉全般が苦手だ。メインが肉料理の日は食べられるものが少なく、空腹のまま夜を過ごすことも多い。
     だが、ハンバーグを心から楽しみにしているらしい同僚に、それを伝えることは憚られた。食事は日々の楽しみだ。テディには心置きなく、好物を味わってほしい。
     食事の時間は一応決まっているが、執事たちは全員揃って食事を取るわけではない。一階や地下の執事たちはそろって食べることが多いようだが。
     決められた時間内に厨房へ顔を出し、調理担当に、食事に来たことを告げる。そうして、温かい料理を配膳してもらうのだ。
    2130

    住めば都

    MEMO2023クリスマスの思い出を見た感想。
    とりあえずロノ、フェネス、アモン、ミヤジ、ユーハン、ハナマルの話をしている
    執事たちが抱く主様への思いについて現時点で、あるじさまへの感情が一番純粋なのはロノかなという気がした。
    クリスマスツリーの天辺の星に主様をたとえて、でもそこにいるのは自分だけじゃなくて、屋敷のみんなも一緒でさ。
    主様と執事のみんながいるデビルズパレスを愛してるんだなあということがとてもよく伝わってきて、メインストのあれこれを考えると心が痛い。ロノの感情と愛情が純粋でつらい(つらい)

    なぜロノの贈り物にこんなに純粋さを感じているかというと。
    手元に残るものを贈っている面々は、そもそも根底に「自分の贈ったものを大切に持っていてほしい」という思いがあるはずで、贈った時点である意味主様からの見返りを求めているのと同じだと思うんですよね。
    ただ、消え物にするか否かは思いの重さだけでなくて、執事たちの自分への自信のなさとか、相手に求めることへの拒否感とか、なにに重きを置くかの価値観とか、いろいろあると思うので、消え物を選んだ執事がみんなロノほど純粋な気持ちではいないんだろうなと思っている。
    1511

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