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    koioto_rz

    @koioto_rz

    つるこい、おこい、つきこい
    9:0.5:0.5

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    koioto_rz

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    書けない…なにもかも…
    気が向いたら文章整えるけど書き方がわからなくて泣いてるやつです
    自己満であげます
    現パロ 初夜翌日
    鶴見教授×生徒鯉登
    友情出演杉元

    #鶴鯉

    つるこい 微睡みの中、香ばしい匂いが鼻腔を擽りゆっくり瞼を持ち上げた。鶴見さんの好きな珈琲の香り。リビングで過ごしているだろう気配だけで、このベッドで過ごした数時間前が一気に脳を駆け巡った。集まった熱を放出させるようにぼふっと大きな音で枕に顔を埋める。
     初夜の翌日がこんなに気恥しいものだとは思わなかった。
     授業があるからといって先に家を出る鶴見さんを見送るまで、頑張っていつも通りを装ったがお見通しだっただろうか。どこかまろやかな雰囲気の鶴見さんに、休んでからのんびり行きなさい、と髪を撫ぜられた体温を逃したくなくて暫く頭を押さえていた。


     四限の講義のために構内のカフェで時間を潰すも、この大学内に鶴見さんがいると思うとじんと重い腰も相俟り昨夜を思い出してしまう。おす〜と気の抜けた挨拶をしながら勝手に向かいに座ってきた杉元が零したヨーグルトにさえ喉を鳴らしてしまって重症だと思った。スッスッと一度読んだスイーツの記事をスクロールしていく。
    「鯉登なにみてんのそれ」
    「…あ?…あぁ、なんかプリンのやつ?だな」
    「…テキトーだな、見てたんじゃねぇの?なんかあった?」
    「別になんもなか」
     勘のいい杉元は首を傾げてくるが、よもや情事に気を取られているだなんて言えるはずもなく。ふいと携帯に視線を落とすが、面白くなさそうにこちらを見つめてきているのが視界の端にうつっている。
    「ふーーーーん?あの人関係かと思ったけど違うんだぁ」
     かつかつと前歯でプラスチックのスプーンを噛みながら、私の背後へ顎をしゃくるような動作が見えた。あの人、と言われ条件反射で振り返ったそこには鶴見さんがカフェカウンターで女子に囲まれる様子で。鶴見さんの神色美若たるお姿に魅入られたキラキラ着飾る女の群れは面白いものではなかったから、すぐに目を逸らした。
    「今日も人気者だね、彼氏サマは」
    「せからしか杉元」
     鶴見さんに気付いてほしいようなそうじゃないような。いつもなら群れなど気にせずすぐさま傍へ向かうのに、どうにも昨夜が頭から離れなくて躊躇った。
    「今日は行かないんだな」
    「……行かん」
    「…なぁに?喧嘩でもしたわけぇ?」
    「ちっ!ちごぉ!!……っ、バカ言うな、仲良しに決まっとるだろ」
     は〜〜…とわざとらしい大きな溜息をつかれ見当違いのことを言われては声が大きくなってしまい慌てて息を潜める。横目で確認したが鶴見さんはメニューに釘付けになっているようで、ほ、と胸を撫で下ろした。杉元の、じゃあなんなんだよとぶつくさ呟くのが聞こえたが言い合いになる予感がして無視することにした。
     そこにいると考えるだけでドキドキと鼓動が早まる。ここはカウンターと離れていてしかも柱の影の席だ。端っこにいる私のことなんて見えていないのを分かっていても変に意識して姿勢を正してしまう。手元の珈琲も、ちび、とかわいこぶって小さく口に含む。
     スマホなんかもう見てなくてただ機械的に指を下から上に滑らせているだけだ。
     二一年も生きてきたのに、こと恋愛事になると何も上手く出来なくて、以前杉元に言われた「鯉登はウブすぎて小学生の方がまだ慣れてんぞ」が本当に正しい気がして忘れられないでいる。
     先程自分で言った“仲良し”が脳内をぐるぐるしていた。お互いの熱を求めて絡めた指の強さ。汗が滲んでしっとりとした肌。ぱらぱらと崩れ落ちた前髪で増される色気。その髪が影を落とす瞳は鶴見さんがいつも飲むブラックコーヒーのように深く黒く艷めいていた。全部、全部細かく思い出せてしまう。

     あ、と杉元の発した声に顔を上げるのと、よく知ったムスクを耳元に感じたのは同時だった。

    「もう一番下のページのようだぞ?鯉登」

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    1405Barca

    REHABILI現パロ尾鯉のギャグです。赦して。
    別に無趣味というわけではない。
    私大入学を機に都内に越してはや一年、灰の降らぬ生活にも慣れた今日この頃。ゼミに定期的に顔を出し、アルバイトも適度にこなし、サークルに入らない代わりにと近場の道場に度々足を運ぶ日常は同世代から見ても怠惰ではない。しかしながら大学生活二度目の春を迎えた鯉登音乃進にとって、それは惰性と断じる他ない日々だった。
    そもゼミ活動が本格化するのは3年次からであって、今は文献の読み方・引用のやり方など基礎的な学習であるし、アルバイトは音乃進と同じく進学と共に上京し、今では大手の営業職に就く兄から紹介された家庭教師をそれなりの頻度でこなすだけ。幼年から続けてきた示現流も、人目の多い都会の道場で猿叫することは叶わず。つまるところ、どれも時を忘れて熱中できるほどのものではないのだ。あと一年待てばゼミも本格化し憧れの鶴見教授と個人面談もあるのだが、彼のよかにせ教授は現在ロシアで調査発掘に勤しむ多忙な日々を送っていると聞く。院生でも声を掛けにくいと聞く熱中状態の鶴見教授に、ほやほやの一年目ゼミ生がアクションを起こせるはずもなく、画面びっちり敬愛と近況で埋め尽くしたメールを削除して、肌寒い春の夜風に撫でられながら音乃進は自室のパソコンの前で小さくキェェと鳴いた。
    4006

    はも@🐈‍⬛🎏原稿

    SPUR ME恋音展示が間に合わない文量になったので、現在できてるところまで公開します!本当にすみません!完成したら完全版をpixivに投稿しますので、よろしくお願いします。
    函館に引っ越してきた鯉登くん(16)が冬季鬱っぽくなったのを、ここぞとばかりに手を差し出して手に入れようとする尾形百之助(21)の話です。
    極夜にて「尾形はあたたかくて、すきだ」
     そう言って尾形の膝の上に形の良い丸い頭を置いて少年が呟く。少年の声は声変わりが済んでもまだ少しばかり声が高く、甘い。
     尾形、おがた。何度も甘い声で名前を呼ばれ、尾形はくつくつと肩を揺らして笑う。
    「なぁ、もうここで暮らせよ」
     艶のある黒紫の髪を撫で、少年の耳を指で柔く揉む。たったそれだけなのに、少年の耳が赤く染まる。黒い瞳がゆっくりとこちらを向く。気が強い性格で、誰にも弱ったところを見せようとしなかった子どもが、今は縋るような目で尾形をじっと見つめている。
     この少年には自分しかいない。言葉で言われなくとも、少年の視線、表情、態度で解る。それが尾形にとって他の何にも変えられない幸福――黒くどろどろした幸せが自身を染めていく感覚にうっすらと微笑んだ。
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