Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    kidd_bbb_g

    @kidd_bbb_g

    K2用

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🍛 ☕
    POIPOI 23

    kidd_bbb_g

    ☆quiet follow

    譲介くんの盛装のお花が元ネタです。#僕のスイートピーちゃん部

    #K2
    #和久井譲介
    #ドクターTETSU
    #譲テツ

    僕のスイートピーちゃん部 ベッドサイドのテーブルに、花を生けた。
     薄紫の花弁がフリルのように柔らかくカールして、すっと延びた茎の左右についているさまは、ふわふわと蝶が舞うかのよう。
     徹郎さんはベッドの中から花を見ている。
    「スイートピーか」
    「大通りの花屋さんで売ってたので」
    「好きなのか?」
    「ええ」
     僕はベッドのふちに座って答えた。
     花言葉を知ってから、僕はこの花が好きになった。もうずいぶん遠くなった、N県での二人暮らしと突然の『別れ』。そのあとのT村での暮らし。クエイドへの『門出』。スイートピーの花言葉は、僕にいろんなことを思い起こさせる。『やさしい思い出』として。
    「可愛い花でしょ?」
     徹郎さんは、フムン、と曖昧な返事をする。『やさしい思い出』のいちばん最初にいるひと、長きにわたり『私を忘れないで』いてくれたひとは、わかってなさそうな顔で花を見ている。
     僕はベッドに入ると徹郎さんの隣にくっついて、小さい声で言ってみる。
    「僕のスイートピーちゃん…」
    「ブハッ!」
     おっと、昭和の男のリアクションだ。
    「なんだ、そりゃあ……」
     僕は徹郎さんの耳元でたたみかける。
    「僕のスイートピー、ヴィンダルー、サグパニール、パリップ、チキンティッカマサラ……」
    「スイートピー以外全部カレーじゃねえか」
     徹郎さんは片手で目元を覆って笑った。横から見ると顔が赤いのがわかる。
    「食べちゃいたい」
    「スイートピーは毒があるぞ」
     僕がシーツのあいだの厚い胴体に触れると、笑うたびに腹の筋肉が震えていた。徹郎さんは僕の肩に腕を回した。徹郎さんと僕はベッドで抱き合ったまましばらく笑っていた。
     スイートピーには花の色ごとに花言葉がある。徹郎さんとの平穏な時間。それは僕にとって紫のスイートピー、『永遠の喜び』。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖👍💖🍼❤👏💗😍💴💕💕🍛🍛🍛🍛🍛🍛🍛🍛💖🙏💗💗💗💗💗☺☺☺☺☺👏👏👏💖💒🙏🙏💜💜💜💜💖💕❤👍💗👏☺💖💖❤👏☺💒😍💜💚💚
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works