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    まどろみ

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    まどろみ

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    七灰小ネタまとめ2。察しの悪い灰の続きと大人七社畜七高専七の三人で灰を取り合う話。捏造、生存if注意

    #七灰

    七灰小ネタまとめ2察しの悪い灰原2

    「ナナミン大変!」
    高専に報告書を出しに来た七海のもとに、顔を青くした虎杖がやってきた。
    「虎杖くん、廊下は走らない。…どうしたんですか?」
    「灰原先生がナナミンの結婚式の友人代表スピーチ原稿を書きだした!」
    七海は職員室へ駆け出した。

    ***

    「七海の気持ちに灰原が気が付いてないって聞いたから…」
    「『七海には好きな人がいるんだって。でも先に進めなくて困っているみたいだよ』って教えてあげたら…」
    「何を思ったか七海が結婚するんだって勘違いしてスピーチ原稿書き出した」
    「あいつすげえよ、相手が自分のことだなんて露程も考えてねえ」
    「だけど友人代表に選ばれる自信はあるみたいだよ」
    「「お手上げだ」」
    「…」
    先輩二人が両手を挙げて降参しているのを無視して灰原の後ろに回り込む。七海が来たことに気づいていないようで真剣に机に向かっている。手中の紙を覗き見ると、定型の挨拶から始まり七海を褒め称える文章がつづき、お相手に言及する部分で手が止まっている。告白も済ませて、身体もつなげて、外堀も全部埋めて。そこまでされて逃げ場がないはずなのにこちらの気持ちにかけらも気が付いていない。改めてそれを突きつけられた七海は人目もはばからずその場に崩れ落ちた。

    ***
    先に進む→結婚と考えた模様


    ---


    君は誰とキスをする?私それとも私?いや私?

    「私」
    「わたし」
    「わーたーし!」
    スーツの男性二人と学生服の男子が一人、計三人で言い争っている。彼らは年齢こそ違えど、皆翡翠のような瞳と金色の髪をたなびかせていた。
    「七海!落ち着いて!」
    「「「これが落ち着いていられるか」」」
    黒髪の少年が三人に割り込むが全く効果はない。
    「まさかご都合呪霊で七海が三人になるとはね」
    「しかも増えた分はおじさんときた」
    「「おじさんじゃない!まだ二十代だ!!」」
    白髪の少年と塩顔イケメンが茶々を入れると成人二人が力強く訂正を入れる。だが未成年の少年たちからしてみればアラサーはおじさんなのだ。残念ながら。

    ***

    「で、解呪は七海のうちの誰かが王子様(仮)とキスをすればいいって?」
    「御伽話かな?」
    「だから言い争ってんのか」
    なんだ、と最強二人は興味を無くしたのかそそくさと帰っていった。三人に取り囲まれている灰原を置いて。
    「「「灰原」」」
    いつもの七海とちょっとくたびれた七海とだいぶ大人びた七海。三人の七海に取り囲まれた灰原は目を回していた。キスの相手が灰原だと確信していることに何故と指摘するような人間は、残念ながらこの場にいない。
    「「「君は誰とキスをする?」」」
    七海、としか答えようのない選択肢から灰原は何を選んだのか。それを知るのは七海のみである。

    ***
    大人七と社畜七と高専七。一応この時点での本体は高専七。某歌の二人バージョンの歌詞が選択肢実質一人に見えて好きです
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    maru464936

    PASTTwitterの過去つぶやきまとめ。リーゼお婆ちゃんが亡くなった時のちょっとした騒動。語り手はフィーネ似の孫だと思う
    無題孫たちの述懐で、「母方の祖父は、物静かで穏やかなひとだった。」みたいに言われてたらいいよね。

    「だから私たちは、祖父にまつわるさまざまな不吉な話を、半ば作り話だろうと思っていた。祖母が亡くなった日、どこぞの研究所とやらが検体提供のご協力の「お願い」で、武装した兵士を連れてくるまでは。
    結論から言うと、死者は出なかった。数名、顎を砕かれたり内臓をやられたりで後遺症の残る人もいたみたいだけど、問題になることもなかった。70を超えた老人の家に銃を持って押しかけてきたのだから、正当防衛。それはそうだろう。
    それから、悲しむ間も無く、祖父と私たちは火葬施設を探した。
    私たちの住んでいる国では、土葬が一般的だけど、東の方からやってきた人たち向けの火葬施設がある。リストから、一番近いところを調べて、連絡を入れて、みんなでお婆ちゃんを連れて行って、見送った。腹立たしいことだったけど、祖母の側に座り込んだまま立てそうになかった祖父が背筋を伸ばして歩けるようになったので、そこは良かったのかもしれない。怒りというものも、時としては走り出すための原動力になるのだ。
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