【アウト?】安価で同級生に凸する【セウト?】「ここから入れる保険があるんですか!?」
寮の談話室で一息ついている所に灰原の声が響き渡った。
「そこになければないですね。…とりあえず灰原、着替えてから話をしようか」
視線を落とすと目の前にはぎりぎり服を着ていると表現できる格好の灰原が倒れ込んでいた。
***
「高専入学前から安価スレにハマってまして。知ってますか?番号を指定してその番号に書いてある行動をするっていうスレなんですけど」
「ああ…」
「夏油さんを尊敬するのも安価で決めました」
ズボンを履きながら拳を握る後輩にそれは聞きたくなかったかな、と苦笑する。
「で、それと今の格好はどう関係あるのかな?」
「安価スレに書き込みをしてたら七海の僕への態度がセウトという話になりまして」
「…具体的には?」
「腰に手を回してきたり、耳元で囁いてきたり、あと、僕のパンツがよく七海の部屋で発見されたりですね」
「アウトよりのアウトだね」
いくら寮だからって下着は他人の部屋に移動しないんだよ。
「で、直近の安価通りに七海の部屋のベッドで大の字になって『やめて!僕に乱暴する気でしょう?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!』って叫んだら『そのつもりだが?』って乗り上げてきて」
「…で、服を脱がされたと」
「最初は冗談だと思ったんですよ!でも七海の目が据わってるし、固いものが尻に当たってきたんで蹴り上げて逃げてきたんですけど」
「それは…大変だったね」
主に七海が。
「あの…僕はこの後、どうしたらいいんでしょうか?」
上着を羽織りなおした灰原がため息をつく。私から言えることは…そうだな。
「スレに報告と次の安価を書き込みにいけばいいんじゃないかな」
翌日、妙に肌艶の良くなった七海が「昨日はありがとうございました」と礼を言ってきたが聞かなかったことにした。
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「五条さんから「詳細キボンヌ」って連絡が来たんですが」
「ネラーの悟は解釈違いかな」
「あと家入さんからは『┌(┌^o^)┐ホモォ…』とメールが来たので『森へおかえり』と返信しておきました」
「ついでに┌(┌^o^)┐ホモォ…の初出は2012年だと伝えておいてくれるかな」