ばらばらになったマンパガネット
旅の途中
ガネットは、一人で人助けの旅を続けていた。
小さな町や村を巡り、治癒魔法や結界術で人々を守り、支えた。
その笑顔の裏には、消えない孤独があった。
──もう、誰かに頼ることはできない。
それでも誰かの役に立てるなら、と歩き続けた。
心情
夜、焚き火のそばで、古びた手帳を開く。
そこには、かつて仲間たちと交わしたくだらないメモや、作戦会議の走り書きがあった。
「まだ──忘れられないのか」
独り言に、答える者はいなかった。
最期
寒さ厳しい冬の村。
魔物から村人を守るために結界を張り続け、体力も魔力も限界を超えていた。
吹雪の中、村人たちが無事に避難できた瞬間、
ガネットは崩れるように膝をついた。
誰にも看取られず、ただひとり、白い雪に埋もれていく。
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