寄り道の口実/百々秀夜桜がスポットライトに照らさて、道行く人々の視線を集める。
「今日ぐらいに満開の予想だったよね、すごく綺麗」
「そうですね、先輩も負けないぐらい綺麗ですけど」
「えぇ…、口説いてるの?」
「そうですけど」
彼は何を考えているんだろう。
たまに、突然、甘い言葉を言ってきたり、今みたいに口説いてくる時がある。
愛されることは嬉しいけど、突然だと、ちょっと恥ずかしい。
「なんか暑くなってきちゃった〜、責任取ってアイス奢ってよ。あっ、ちょうど、いいところに、コンビニが、あるよ、しゅーくん」
「なんですか、そのわざとらしい喋り方」
だって、キミともうちょっと一緒にいたいなって思ったけど、恥ずかしくて言えなくなっちゃった。
明日も朝早くからお仕事があるし、早く帰るようにって、さっき事務所でぴぃちゃんに言われた。
428