つなぐ 傾いた太陽がオレンジ色に染め上げた公園のベンチ。僕はそこに今、真壁一騎と隣り合って座っている。触れ合った肩と繋がれた手から確かに伝わってくる体温をどうするべきか、いくら考えても答えは出そうになかった。
そもそもどうしてこんなことになっているのか。時はほんの数十分遡る。
事の発端は昨夜日野美羽に見せられたアーカイブだ。楽しげに歌う真壁一騎の姿が理解できなくて、あいつが働いている喫茶店に行った。そうしたら昼食を食べることになって、僕のリクエストで真壁一騎が作ったシチューを食べたあと、デザートを出されたんだ。
「はい、そうし」
ことん、と陶磁器に入ったプリンが目の前に置かれる。プリンって、容器に入って出てくるものだったか……? 皿の上に乗ってるんじゃなくて……?
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