お年玉はまた後で「明けましておめでとう! さぁマスター、今がお年玉の出し時だぞ?」
年越しが終わって新しい年が始まり、一通りの挨拶周りが済んだ。そうして皆が寝静まった早朝の来訪者。眠い目を擦りながら扉を開けてみればアンデルセンが得意顔で立っていた。
「あけましておめでとう……わたしまだ眠いんだけど」
たった今ノックの音で起きたばかりだ。一方アンデルセンは元気そうを通り越してテンションが高い。多分年越しも関係なく執筆作業をしていたのだろう。そうでなければこんな朝早くに彼がやってくることはない。
「そうか、お前は起きたばかりだろうが、俺は眠ってすらいない」
心なしか新年からやつれて見える。
「アンデルセン、少しは休んだほうがいいよ」
2025