日常掌編!新田明朗と新田明音ちゃん(ライカさんPC)の会話落書き。
ただいま、という声がして、明音は元気に玄関の方を振り返ると、軽やかな足取りで駆け出していった。伸ばした髪が走る明音の動きにあわせてしゃらしゃらとなびく。
今日、明音の双子の兄・明朗が、久々に家に帰ってくるのだ。彼は山を愛する彼は、山小屋バイトや登山で数週間家に帰ってこないことがしばしばあり、今回もアメリカにあるデナリ山頂を目指す登山隊に参加しており、一ヶ月ほど家を空けていたのだ。
「メイ、おかえり!」
明音が玄関にたどり着くと、明朗がその背中を覆う大きさの登山リュックを下ろすところだった。出発時に持っていったスーツケースは、荷物として送ったから明日届く、と言っていたのだったか。雲より高い場所を歩いてきたせいか、夏もそろそろ終わるというのに彼の顔は家を出るときより少し日に焼けていた。しかし一ヶ月ぶりに見る彼の姿は、それ以外に変わったところはなかった。怪我の連絡は受けてなかったとはいえ、実際に無事な姿の明朗に心の底から安心する。その気持ちを明音が、ニカッと明かりがつくような笑顔に変換すると表情の乏しかった明朗の顔に僅かな変化が生じた。
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