目が覚めたら脚が一本失くなっていた。ついでに砕けた顎が不気味だと恋人にふられた。トドメに役立たずは要らぬと隊を追い出された。十四の頃から戦場が生活の場だった俺は、それでなんにも無くなった。最悪である。
こうなったら財布がすっからかんになるまで呑んで女を買ってそれから死のうそうしよう。
「うっわお前べろべろじゃないか」
決意し手始めに自棄酒を呷っていると、知り合いに声をかけられた。
「ああ、この前ので……大変だったな。今は、どうしてる」
なんだかんだでヒト恋しかった俺はソイツ相手に愚痴をぶちまけ、顔から出せる液体を全部出して己が境遇を呪い、最後に盛大にゲロをぶちまけ意識を失った。
起きると知人はまだ横にいた。知人は溜め息を吐き、行く当てがないなら自分のところで働かないかと誘ってきた。
1914