天体観測▽南極カルデアの話です
▽ぐだキャスギル
窓の外は見慣れた吹雪ではなく、澄んでどこまでも見渡せそうな快晴だった。それを見たダ・ヴィンチに今日は天体観測にもってこいだ、と言われた立香は、自室――と言っても立香の部屋である――で休んでいたギルガメッシュを半ば無理やり引きずって外へ出た。
「――すごい……」
呟いた立香の吐く息は白く曇り、弱い風に流されて散っていく。防寒着を着込んではいるが、それでもその装備を貫通してくる寒さである。しかし、見上げた夜空は満天と呼ぶのも生ぬるいほどに星で埋め尽くされていて、寒さも忘れてしまえそうだった。
「どうしても我に見せたいものがあると貴様が言うから、仕方なくついて来てみれば……立香、見せたいものとはコレか?」
1495