猫っぽくなった王様の話▽霊基バグで王様がやや猫っぽくなった話です
▽ぐだキャスギル
prologue.
目が覚めたら、一緒に寝ていた人の頭に猫耳が生えていた。大きな三角形の、髪の色と同じ金色の猫耳。見間違いかと思った立香は目をこすり、ついでに自分の頬をぺちぺちと叩いたが猫耳は消えないし、ささやかな痛みがあった。夢ではなさそうだ。
「ん? なんだ、起き抜けに間抜けた顔をして……我の美しさに改めて驚いたか?」
「えっ、いや、王様はいつも綺麗ですけど…………気づいてます?」
身体を起こしもせず、向かいあって寝そべっている立香は、それ、と同じく寝そべっているギルガメッシュの頭を指差す。
「気づく? 一体何に……」
ギルガメッシュは立香の指の先を追って頭を上へ向ける。しかし立香が指差した大きな三角形の猫耳は、ギルガメッシュの頭から生えているので見上げたところで見えはしない。
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