或客人の会得 特別武装警察真選組屯所の玄関先、鬼の副長を前にして、新人隊士がすくみあがっていた。
間が悪いところに来ちゃったなあ、と山崎は内心うんざりする。回れ右をしたいところだが、手に持った書類が許してくれない。それに、今にも泣き出しそうな新人隊士は幼い子供の手を引いていた。どうやらその子供のせいで鬼が瞳孔を開き、子供のおかげで怒鳴り声までは至っていないらしい。
「あのー、ふくちょー……」
意を決して声をかけると、一応子供に気を遣っているつもりなのか、火の無い煙草を咥えた副長がガンを飛ばしてきた。こちらの書類を認めると、顎でそこにおけと示してくる。口を開くと怒鳴りそうなのだろう。おそるおそると鬼の横に書類を置きながら、
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