ゴムの話少しだけ効き過ぎた空調で冷えた躯を温めるように高杉は珈琲を口にする。
「一日3杯まで」、「ブラックは最初の一杯」と口うるさく言われているが、今日は目の前にバニラアイスがあるから許してほしい。
お目付役に高杉重工まで来なかった気味が悪いと口に広がる苦みを飲み干し目の前で、アイスを頬張る強者に挑む
「この規模なら十と言いたいところだがまけて八で良いよ」
「いきなりぼるのぉ。いやおぬしも後々利益が来る。初手は五で我慢せい」
「五なんてトントンじゃないか、なら七で良い。これ以上は無理」
「七か……ここが開発されれば間違いなく拓く、いずれは首都に負けない病院を作る、だからどうじゃ六で」
「……うちの機材を導入してくれるとここで判を押してくれるなら、乗った」
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