交わらない視線 アジトのソファで、アクセルが寝転んだままスマホをいじっていた。指先は器用に画面をスワイプし、何やら楽しげに鼻歌まで漏れている。
「なあ、ダグ。こういうの知ってる?」
興味もなさそうにドア際に立っていたダグの肩越しに、アクセルが中身をチラ見せする。ポップなハートマークとカラフルなゲージが踊る、いかにも軽薄そうなアプリだった。
「……なんだそれは」
「カメラで撮った相手と自分で、恋愛診断してくれるんだってさ。“相性脈アリ!”とか出るやつ。ちょっと面白そうじゃね?」
「くだらない」
「まあまあ、そう言うなって。ちょっと試してみたんだよ」
アクセルはわざとらしく目を細め、ニヤリと笑った。
「さっきクリスにコーヒーもらったときに撮ったけど、結果は“相性20%”」
1310