◆天に見せる――――――
林道の入り口でトビとデイダラに出会った。
林を出るまでは方向は同じ。
わざわざどちらかが道を外す必要もないかと連れ立っていたわけだが…。
休憩しようと飛段とトビが騒ぎ出したので一度足を止めた。
「かくれんぼでもします?」
「休憩だろ。じっとしてろ、うん」
退屈そうに体を伸ばすトビ。
二人が居るといつものように我儘を云えない飛段は不機嫌である。
「ったく…」
落ち着かないトビにため息を吐き切り株に座るデイダラ。
振り回されているのを少し可笑しく思いながら角都は隣の木にもたれた。
いい加減我慢の限界だと云うように飛段はトビを追い回している。
何気なくデイダラに視線を落とす。
くあっと退屈そうに欠伸をする彼の首元が、髪と襟の隙間から少しだけ見えた。
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