黄昏時のドリームランド 最後のパーツを探して、ぼくはナッツヌーンにやって来た。誰も連れてこず、一人で。
繰り返しの物語によって心身は擦り減り続け、もはやぼくはかつてのぼくではなくなっていた。他者との関わりは、軋んだ心を痛ませる。だからここ最近の「繰り返し」では、一人でパーツ集めをしている。
夕日に照らされる海を見つめ、せせら笑った。――かつては皆で、わいわい騒いで歩いた道だったのになあ。
ふと、夕焼け空を見上げる。すると、ふらふらと浮かぶ雲の中に、君の姿を見た。ここにいるはずのない、黄昏時が見せた蜃気楼。それでもぼくは、縋るように手を伸ばしていた。
歩を進めると、テーマパークのような空間に辿り着いた。人気が無いがそれはきっと夕刻ゆえで、昼間なら大勢の人で賑わっているのだろう。
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