ソノ死ヨリ４分前の夜に　――某年　十二月二十五日　深夜十二時　ひょうたん公園内にて――


「……十五年ぶりだな……」
「そうなりますね」
「キミには想像もつかないだろう……この十五年、私がどれだけ苦しんだか」
「…………それはっ！！」
「そして、今。やっと復讐のときがきた……。メリークリスマス」


　――ボートの上で男性が二人、向かい合って佇んでいる。一人の男性はおもむろにピストルを取り出すと、それを片手に持って、対面にいたもう片方の男性に発砲した。


　パァンッ！　……と、深夜の公園に銃声の音だけが響く。


　男は、胸を撃たれてボート上から湖に沈んでいった。
　そして、ピストルを撃った方の男は……コメカミにピストルを向けるやいなや、唐突に自分の頭を撃ち、そのまま湖面へと落ちた。