戀 々
PROGRESS表紙完成!入稿してきました📘📗ファ〇マカラーGS2019年ぶりの同人誌創作やっぱり楽しいな
完成本を手にするまでのドキドキ感✨
思い出に残るいい感じの表紙ができたんじゃないかと思います。
ダンスしてる感じにしたかったんですがみえますかね?
B5サイズと迷いましたが、初めてA5 サイズに挑戦してみます。本文はこれから
通販への質問は、検討はしております🤔
k_hizashino
PROGRESS現パロ般若+さに 最後別れます。承前完結かたわら「大般若さん、お話があるんですが」
「ああ、なんだい?」
「また……引っ越そうかと思って」
「……そうかい」
あのアンティークのテーブルが売れてから半年経った。相変わらず客足は途絶えず、親戚筋の方の往来も増えた。彼らはいろいろな国を飛び回っている人が大半で、そんな中一人この店を構えている大般若さんは本当に天然記念物のようだと思った。
私はそんな大般若さんが好きで、でももうここにはいられないと思った。
「行く当てはあるのか」
「ひとまず実家に身を寄せようかと。母が足を怪我して以来歩きづらくてしょうがないとこぼしているのもあるので、手伝いに」
「そうか。ご母堂の健康を祈っているよ。もちろんあんたのも」
「ありがとうございます」
2163「ああ、なんだい?」
「また……引っ越そうかと思って」
「……そうかい」
あのアンティークのテーブルが売れてから半年経った。相変わらず客足は途絶えず、親戚筋の方の往来も増えた。彼らはいろいろな国を飛び回っている人が大半で、そんな中一人この店を構えている大般若さんは本当に天然記念物のようだと思った。
私はそんな大般若さんが好きで、でももうここにはいられないと思った。
「行く当てはあるのか」
「ひとまず実家に身を寄せようかと。母が足を怪我して以来歩きづらくてしょうがないとこぼしているのもあるので、手伝いに」
「そうか。ご母堂の健康を祈っているよ。もちろんあんたのも」
「ありがとうございます」
ige543kan
PROGRESS1/26 2冊目進捗③仔ゲゲにおいしもの食べさせたいだけ
かがやきを閉じ込めて (金平糖)いつもよりも軽い足取りで退社して家を目指す。
ちらりと仕事鞄の中を覗けば、かわいらしい桃色の巾着が目に入った。自分には似つかわしくないそれは、留守番してるいい子へのお土産だ。早く、早く帰って食べさせてやりたい。どんな反応をしてくれるだろうか。喜んでくれるだろうか。期待に胸を膨らませながら帰り道を急いだ。
「ただいま」と玄関の扉を開ければ、居間から「おかえり」とゲゲ郎が顔だけ出して迎えてくれる。靴を脱いで自分も居間へと入ると、鞄の中からずっと出番を待っていた桃色の巾着を取り出した。
「ほら、今日は土産があるぞ」
そう言って目の前にぶら下げれば、興味津々な視線が巾着へと注がれる。「手を出して」と言えばすぐ両手で皿を作ってくれた。本当に素直でいい子だな、と少し笑ってその上にぽんっと巾着を乗せてやる。
929ちらりと仕事鞄の中を覗けば、かわいらしい桃色の巾着が目に入った。自分には似つかわしくないそれは、留守番してるいい子へのお土産だ。早く、早く帰って食べさせてやりたい。どんな反応をしてくれるだろうか。喜んでくれるだろうか。期待に胸を膨らませながら帰り道を急いだ。
「ただいま」と玄関の扉を開ければ、居間から「おかえり」とゲゲ郎が顔だけ出して迎えてくれる。靴を脱いで自分も居間へと入ると、鞄の中からずっと出番を待っていた桃色の巾着を取り出した。
「ほら、今日は土産があるぞ」
そう言って目の前にぶら下げれば、興味津々な視線が巾着へと注がれる。「手を出して」と言えばすぐ両手で皿を作ってくれた。本当に素直でいい子だな、と少し笑ってその上にぽんっと巾着を乗せてやる。
ige543kan
PROGRESS1/26 2冊目進捗②仔ゲゲにおいしいもの食べさせたいだけです
あたたかさと待ちぼうけ (おむすび) 「お腹がすいたのう……」
夕方の鳥が鳴き止んで、次第に鈴虫の音が聞こえてきた夜のはじまり。居間でぼうっと寝そべり天井を見上げながら呟く。
いつもなら夕餉を食べている時間だが、事情があって今日はまだだ。待っていようと思っていたが、いよいよ空腹を訴えた胃がぎゅぅっと鳴り出してしまった。
「……仕方ない、あれをいただくとしようかの」
よっこいしょ、と体を起こして台所へと向かう。
扉を開ければ、そこにはラップのかけられた皿が台の上に一つ置かれていた。それを持って居間へと戻る。
座卓にそれを置き、いただきます、と手を合わせてからラップを剥がせば、中にはおむすびが二つ入っていた。
これは今朝、帰りが遅くなりそうだからもし腹が減ったら食べてくれ、と水木が握っていってくれたものじゃった。片方は真っ白で、もう片方には海苔が巻かれている。
1053夕方の鳥が鳴き止んで、次第に鈴虫の音が聞こえてきた夜のはじまり。居間でぼうっと寝そべり天井を見上げながら呟く。
いつもなら夕餉を食べている時間だが、事情があって今日はまだだ。待っていようと思っていたが、いよいよ空腹を訴えた胃がぎゅぅっと鳴り出してしまった。
「……仕方ない、あれをいただくとしようかの」
よっこいしょ、と体を起こして台所へと向かう。
扉を開ければ、そこにはラップのかけられた皿が台の上に一つ置かれていた。それを持って居間へと戻る。
座卓にそれを置き、いただきます、と手を合わせてからラップを剥がせば、中にはおむすびが二つ入っていた。
これは今朝、帰りが遅くなりそうだからもし腹が減ったら食べてくれ、と水木が握っていってくれたものじゃった。片方は真っ白で、もう片方には海苔が巻かれている。
ige543kan
PROGRESS1/26 2冊目進捗仔ゲゲに美味しいもの食べさせたいシリーズ①
※細かいこと気にせずにお楽しみください
深夜の罪 なんとなく、そう、なんとなく眠れない日じゃった。
昼寝をしすぎたせいじゃろうか。夜も深まってきたというのに目が冴えてしまって全然眠れる気配がしない。
そうしていると今度は腹が空いてくるもので、この空腹を満たさなければ眠れないような、そんな落ち着かない気持ちになる。もぞもぞとしていると隣で眠る水木から声をかけられた。
「眠れないのか?」
「ん……すまぬ、起こしてしまったな」
「別に構わねぇよ。……怖い夢でも見たのか?」
頬を撫でられながらそう心配そうな顔で見られ、本当にやさしい男じゃな、と胸の奥があたたかくなる。
いや、そういうわけではな無いんじゃが……と言えば安心したように肩を落とした。
「その、なんとなく腹が空いてしまって……」
2309昼寝をしすぎたせいじゃろうか。夜も深まってきたというのに目が冴えてしまって全然眠れる気配がしない。
そうしていると今度は腹が空いてくるもので、この空腹を満たさなければ眠れないような、そんな落ち着かない気持ちになる。もぞもぞとしていると隣で眠る水木から声をかけられた。
「眠れないのか?」
「ん……すまぬ、起こしてしまったな」
「別に構わねぇよ。……怖い夢でも見たのか?」
頬を撫でられながらそう心配そうな顔で見られ、本当にやさしい男じゃな、と胸の奥があたたかくなる。
いや、そういうわけではな無いんじゃが……と言えば安心したように肩を落とした。
「その、なんとなく腹が空いてしまって……」