Namako_Sitera
DOODLEお題箱より師匠とヨルンの話。師からクッキーを手渡された幼き日のヨルンの祝福に満ちたある日の記憶。そういう日も多分あったんじゃないかな……と。
8才、或いは1年目のきみへ。「ヨルン、」
ヨルンの中にある師の記憶の大抵は、己の名を呼ぶ声ではじまる。
幼かったあの日々、師はヨルンを呼びつけると息を吸う様にヨルンの頭を撫でた。そのがさついた指先はくすぐったく、いつも温かい。名を呼ばれることも、頭を撫でられることも、常に不可視の恐怖に苛まれていた当時のヨルンにとっては安堵できる数少ないひと時だった。
「なんでしょうか、お師さま」
「お前に渡すものがある、おいで」
手招かれるまま師の隣に座る。足のつかない酒場のカウンター席にうまく乗ると、師からするはずの酒の匂いが少しばかり薄いことに気が付いて首を傾げた。珍しい、呑んでいない。
とはいっても今日は仕事に出たわけではなく、町で行われていた小さな祭りを見て回った日だったのでそういう気分ではなかったのだろうとヨルンは思った。その祭りはその近辺で引き起こされた戦の戦死者を弔う鎮魂祭だったのだが、当時幼くあまり周囲に興味を持たなかったヨルンには理解できないことだったろう。
1656ヨルンの中にある師の記憶の大抵は、己の名を呼ぶ声ではじまる。
幼かったあの日々、師はヨルンを呼びつけると息を吸う様にヨルンの頭を撫でた。そのがさついた指先はくすぐったく、いつも温かい。名を呼ばれることも、頭を撫でられることも、常に不可視の恐怖に苛まれていた当時のヨルンにとっては安堵できる数少ないひと時だった。
「なんでしょうか、お師さま」
「お前に渡すものがある、おいで」
手招かれるまま師の隣に座る。足のつかない酒場のカウンター席にうまく乗ると、師からするはずの酒の匂いが少しばかり薄いことに気が付いて首を傾げた。珍しい、呑んでいない。
とはいっても今日は仕事に出たわけではなく、町で行われていた小さな祭りを見て回った日だったのでそういう気分ではなかったのだろうとヨルンは思った。その祭りはその近辺で引き起こされた戦の戦死者を弔う鎮魂祭だったのだが、当時幼くあまり周囲に興味を持たなかったヨルンには理解できないことだったろう。
jerica_foxtrot
DOODLEits been a while i think I'm getting rusty.gotta draw one of my old OC novel back in college
#originalcharacter #OC
#draw #sketch
#manga #novel
パラ団子🍡
DOODLEうめひいのr15?くらいのやつrkgkですそうです。hirgさんのお尻から下を描きたかっただけです
ummyさんが誰おま状態ですが、言い張ります
うめひいです
まだ増えるかもしれない・・・
momo__taron
DOODLE【天みつ】相合傘「あ、傘忘れた……マジかぁ」
もう少しで梅雨入りが発表されるかというとある日の昼過ぎ。和泉三月がテレビ局を出ようとすると、リュックに折り畳み傘が入っていないことに気づいた。
昨日の鞄と違うリュックにして来たら、折り畳み傘を入れ替えるのを忘れていたらしい。
「お疲れ様、どうしたの?」
後ろからかかった声は九条天。同じ番組の収録だったのだ。
「あー、傘忘れちゃって。昨日使ってた鞄に入れっぱなしにしてたみたいでさ。」
まいったな、と三月はへらりと笑う。駅までは走れば5分くらいか。コンビニを探してビニル傘を買うよりは走って駅まで行った方がいいだろう。そう思っていた。
すると、天が自分の傘の留め具を外しながら尋ねる。薄桃色で柄のないシンプルな傘だった。
1159もう少しで梅雨入りが発表されるかというとある日の昼過ぎ。和泉三月がテレビ局を出ようとすると、リュックに折り畳み傘が入っていないことに気づいた。
昨日の鞄と違うリュックにして来たら、折り畳み傘を入れ替えるのを忘れていたらしい。
「お疲れ様、どうしたの?」
後ろからかかった声は九条天。同じ番組の収録だったのだ。
「あー、傘忘れちゃって。昨日使ってた鞄に入れっぱなしにしてたみたいでさ。」
まいったな、と三月はへらりと笑う。駅までは走れば5分くらいか。コンビニを探してビニル傘を買うよりは走って駅まで行った方がいいだろう。そう思っていた。
すると、天が自分の傘の留め具を外しながら尋ねる。薄桃色で柄のないシンプルな傘だった。