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    おやつ

    ParAI_t

    DONE第五回ドロライ参加作品です。テーマは「読書」と「おやつタイム」。
    本編終了後の話のつもりだけど、第2部の終わり方によっては盛大に矛盾するなと思いつつ、思い付いた物はしょうがないよね←
    ビス殿以外ほとんど出てきませんが色々います。個人的には、ビス殿の顔は父親由来で性格もかなり似てるので、この時点で実はもうかなり理想に近いけど、本人に自覚はないという感じのつもり。つまり泣かれるのは遺伝(オイコラ)
    愛しき思い出は残り香と共に / クロアス−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−






















     しんと静まり返った書斎に、ときおり紙を捲る音とペンを走らせる音だけが響く。他国から取り寄せた最新の魔導書には、実に興味深い研究ばかりが収録されている。昼食を終えてからひたすら文字を追い続けていたクロービスは、手持ちの書籍を参照しようと栞を挟み立ち上がった。大きな本棚に並ぶ蔵書は、分類法に則り整理してあるため量の割には探しやすい。部屋の主ともなれば勝手知ったるもので、難なく目的の物を見つけ机へと踵を返す。
     確かこのあたりだったか、と本を開き該当の文言を探していく。記述を確認し質問事項を認めると、便箋を折り封筒に収め蝋で封印を施した。出来上がった手紙をレターボックスの束へ加え、ひとまず用の終わった資料を閉じる。年季の入った表紙は初めて見た時よりは大分古ぼけているが、この歳になっても学ぶ事が数多くある良書には違いなく。贈られた当時は『まだ難しいかもしれないな』という言葉に内心反発していたものだが、やはり真に価値を理解してはいなかったのだとクロービスは実感している。
    1010

    frnt_2

    DONE超エアブー0530合わせで書いた紺紅SSです。本当に短いですが甘々(当社比)朝チュンとなっておりますのでおやつのチョコひとかけら食べるような感覚でお楽しみいただければと思います!以前にも似たような朝チュン書いたけど許してほしい!! ゆっくりと吸い込んだ空気の質が変わり始めていることに気付いた体は、深く閉ざされていた瞼を僅かに開かせた。それに伴って、深い眠りの中にいた意識も引き上げられ、紺炉はぼやけて輪郭の崩れた世界をしばらくの間じっと見つめる。
     瞼が半分ほど開いてから六度目の呼吸で、ああ、目覚めたのだと己の内側で呟いた。
     いつもよりも瞼が重いのは、まだ空が白んでいくらも経っていない早朝であるということ、ようやく眠りについたのが真夜中も過ぎた頃であるということ。
     そうして、瞼を心地良く閉じる直前まで、浮いた汗が幾筋も流れ落ちるほど濃厚な蜜事に溺れていたことも、原因の一つであろう。
     紺炉はゆっくり、長く息を吐きながら、瞬きを繰り返して視界を磨いていく。鳥の声はまだ聞こえていない。満ちる静けさは夜半と変わりないが、夜はもう暗い水底から浮上して、部屋の隅に小さく残されているだけだ。陽を含み始めた空気を吸い込むたびに、意識もはっきりとしてくる。
     右腕に感じる、温かい重み。僅かに視線を下げれば、そこには艶やかな黒髪があった。快楽の限界を超えて気を飛ばしてしまった紅丸を抱きしめたまま、心地いい疲労感に包まれて眠りに 2685