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    お父さん

    C.K🌸

    TRAINING23.2.21
    『くっつかないにっかぺSS』
    12才の風佳ちゃん視点。
    私の考える12歳のフーちゃんは…憧れの女性はせりかさんで、せりかさんが『お父さんお母さん』呼びをしてたと聞いて、パパママ呼びをやめた経緯。
    面倒見がいい優しい女の子。ケンジにより大らかに育てられているので、寛容な世界観を持っている…そんなイメージで書きました。

    24.5.28
    下げてた過去作を修正&再掲です
    初恋はジャスミンの香り春休みに日本に帰った時、お父さんの実家で古いアルバムを見つけた。
    それはお父さんと叔母さんの子供時代のアルバムで、季節ごとの色んな思い出がまんべんなくストックされていた。
    私は分厚い中身をひとしきり吟味して、その中から気に入った写真を一枚こっそり抜き取った。
    もちろん、お父さんにもお母さんにも、あんちゃんにもナイショで。

    私のお父さんは宇宙飛行士だ。
    六太さんみたいにまだ月へは行っていないけれど、人類史上初(!)の小惑星探査の旅を成功させた。
    五歳の私は月へ行けなくなったお父さんを責めたけど、今はお父さんの成し遂げた功績とお父さんの所属したスウェッツのメンバーを、心から誇りに思っている。
    フレディもバディも、優しくて楽しいから大好きなんだ。みんなで集まるとバーベキューとか始まっちゃうこの国の風土が私は好き。たまに帰る日本より、お父さんが夢のために奮闘して、お母さんがあんちゃんを産んだこの国が好き。
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    hashi22202

    MOURNINGほんのりオカルトにありそうな「時空の食い違いで死んだはずの人に会う話」で、戦前のトラキア王と戦後の息子さんがなんでか出会う話。同じ話なんですが、前半は息子さん視点で、後半はお父さん視点です。ほんのりアリ→アル
    (779年)
     朝、執務室の扉を開けたら、いないはずの父がいた。
     ”父”は相変わらず顰めっ面をして書類を読んでいたが、ふと顔を上げて、
    「なんだ、おまえか」
     と、ぼそりと言った。どう返していいかわからなかったので、
    「はい、私です」
     と、つい間抜けなことを言うと、そうか、とだけ言われた。”父”はしばらく目の間を揉んでから、少しばかりこちらの顔を眺めていたが、やがて書類に視線を戻した。あまりにも日常的な動作であったから、アリオーンには何も訊けなかった。そうして息子の見ている先で、”父”は長々とため息をついた。
    「相変わらず勝手を言う」
     まったくあの馬鹿は。そう言って”父”は、書類に署名をしたためた。それから、もう一度、やはり深々と息をついた。そうしてため息混じりに、いくつかの決裁を片付けていった。その苦り切った様子が、アリオーンにはめずらしかった。その”父”の、奇妙に悄然とした姿は、あのときのことを思い出させた。
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