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    なるほど

    ほしいも

    DONEアヒル風呂と猗窩煉
    ■現代パロディ
    ■お題ガチャから
    浮かぶアヒルで水面が見えなくなるほど満たされたお風呂に入る猗/窩/座と煉/獄
    『毎月2日、アヒルの日』
     今や珍しくなった銭湯から突如届いたDMは恋人の気を引くのに十分の威力があった。葉書一面を彩る鮮やかなイエローはお湯に浮かぶアヒルの玩具の群れがプリントされている。
    「行こう。」嬉々としてその葉書きを持ち出す煉獄の表情が眩しく、猗窩座には二つ年上の恋人が純真無垢な少年のように見えた。アヒルの玩具にはしゃぐのは未就学児までの特権じゃないか、とも。
    「アヒルと混浴をしにわざわざ行くのか。」
    「お湯が見えないくらい密集している!可愛いらしい!」
    「可愛いか?」
     二人が揃って可愛いと称するものは多くはなかった。みちみちに密集しているアヒルの何が可愛いのか猗窩座には分からず、不思議そうにお湯に浮かぶアヒルを見詰めた。
    「一緒に行って、何匹いるか数えよう。」
     欲のない煉獄にしては珍しく、わざとらしい言えるほどに、おねだりの定型をとって猗窩座の手を引く。片手には目が覚めるようなイエローの葉書きを握ったまま。
    「俺は銭湯に入れない。」
     慰めるように煉獄の額へ唇を触れさせる、不満気に眉根を近付けた煉獄が猗窩座の首元を彩る刺青へ視線を留め、小さく声を漏らす。
    「そうだったな 562

    のくたの諸々倉庫

    DONEなるほどそういう地獄もあるか/鍾タル

    ※ないです。
    こんな感じで始まる先生×ショタタルあったら嬉しいなって。死ネタなどご注意ください。
    雨が降っていた。
    「どうせこの命を終えたところで、お前と同じところには行けまい」
     少しばかり、血を流しすぎただろうか。腕の中の痩身は既に、体温を失って微動だにしない。
    「……後悔はない、が……あっけないものだな、公子殿」
     世界が回る。彼を抱えたまま倒れ込み、雨によって流れ、薄められていく血溜まりを見た。
     もはやどちらの血だったかすら分からない。ああ、これが──末路か。
     俺はなかなか悪くない人生だったよ、なんて。わざわざ俺と比べずとも、あまりにも短命な彼の笑顔を思い出した。
    「……お前と生きる未来が、欲しかった」
     今となっては叶わないが、と閉じていく視界の中思った。ようやく死ねる、と思う心よりもそちらの未練の方が大きいのだから、俺も案外単純なものだ。
     ……ああでも互いに、それなりに殺しをした。となれば次に会うのが地獄である可能性も、まだ、どこかに──


    「おはよう先生、今日もいい天気だよ」
    「……ッ!?」
     目を開ける。耳慣れたものよりも少し高い声と共に、全開にされたカーテンから朝日が差し込んできた。
    「……公子殿?」
    「ん、誰それ? ていうか汗びっしょりだよ先生、なんか変 752