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    むく

    こころ💮

    DONE6/25開催 従者と主人を越えた先 JB2023 ポストカードラリー参加作品です。
    6章帰還後、ゲストルームでケンカするジャミカリと、ケンカの思い出のお話。
    配布ポストカードに記載のパスワードをご入力ください。
    カリムくん、お誕生日おめでとう!

    ※9/12 ジャミルの誕生日に合わせて、パスを外しました。ご自由にご覧ください。
    ジャミルくん、お誕生日おめでとう!
    ごめんね。いいよ。が、できるまで。 口をつけようとしたカップの縁に目を落とし、
    「あっ、欠けてる」
     飲むのをやめた監督生が、カリムと俺の手元を覗きこむ。
    「おふたりのティーカップは大丈夫ですか?」
    「ああ、問題ないぜ。大ぶりでいいな、この茶器」
    「本当か? よく見せてみろ」
     息つく間もなく唇をつけようするカリムの手から奪ったカップにも、俺のカップにも傷などついていないことを確かめて、問題ない、と頷けば、
    「ちょっと、自分の取り替えてきますね」
     欠けたカップを手に談話室を出ていった。
     家主がソファから立ち上がっても、扉を開けて閉じても、不快な音など聞こえない。
     カリムと俺とは目を交わし、
    「よかったなあ!」
    「……よかったな」
     リフォームの成果に同じ感想を漏らす。
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    🌱(め)

    DONEノスクラ。
    悪夢に迷い込むクラさんの話。
    あんまり捏ね回しすぎて溜まっているものが多すぎるので考えすぎないでどんどん上げていって練習量を増やそうの試みです…
    ※都合により時期外れのクリスマスの話が挟まります。季節を反復横跳びしている。手記の内容及び野犬関係の描写あります。
    氷は熱い、狼は冷たい、春の夜は、『お前の能力は美しいな』
    『…なんだと?』

    指揮者のようにくるりと指先を踊らせていた男が訝しげにこちらを見返した。

    窓の向こう、雪深い古城の庭で雪だるまが踊るように荷を運んでいる。
    御真祖様からお前へのクリスマスプレゼントだそうだ、とノースディンは言った。
    先日一族への面通しだと言われ小さな宴へと連れられたのは記憶に新しい。小さな、とは言ってもクラージィが知る教会の祝祭や村の宴に比べればずっと賑やかで華やかで、驚いてばかりの私にノースディンは「一族全員が集まればこんなものではないぞ」と苦い顔をしていたの覚えている。

    私は子供ではないが、と言ったら「受け取っておけばいい、私の仔であることは確かだ」と笑われた。ひどく気恥ずかしい思いではあったが、せっせと運ばれていく大小様々な荷物の中に"Northdin"の名が刻印された物も含まれているのが見えて、それ以上を言うのはやめた。隣に立つ男も似た思いをして複雑な顔をしているのだろうと思った。
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