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    エッセ

    Hibiki4110

    DOODLE年越しイベントの為の快新話短編集、第三弾は陰陽師快新。
    時は平安、陰陽師である新一とその相棒にして式神である快斗のお話。
    過去ピクシブにて公開した話の番外編ですが、これ単独でも読めます。
    超有名な話の雰囲気エッセンスを振りかけてみたのですが、成功しているかは微妙。
    言い方等時代考証が守られていない所が多々ありますが、そこはさらりと流していただくようお願いします。
    陰陽師快新 大祓いの夜「こんなところで油売ってていいのかよ。今夜は大祓いの儀式、お前の笛の出番じゃねーか」
     咎めているというより、呆れているといった調子で新一が問う。
    「笛を吹くのは良いんだけど、窮屈な上に、やれよい姫がどこそこにいるだの、一度屋敷を尋ねてこないかだのと、うるさくて面倒なんだよな」
     気が乗らない、という気持ちを前面に押し出した快斗がそう答えた。

     年末。
     各屋敷では新たな年を迎えるべく準備に忙しい季節である。
     新年を迎えるにあたり、今年の穢れを持ち越さんと皆煤を払い磨き上げ飾りつけ、またここぞとばかりに着物を新調してみたり、溜まったつけを払ったりと忙しない。
     だが一応掃除だけは終えたらしいこの屋敷といえば、何とも静かなもので、門の付近にそっと置かれたお飾りを除けばほとんどいつもと変わらない様子である。
    9219

    pluto__iv

    DOODLE夢腐 琥鴞くんのかんがえごと

    診断メーカーよりお題「こんなに好きになる筈じゃなかったんだけどな。」を元に指を動かしてたら、こきょむざの歴史みたいになった。良さみのエッセンスを感じてくれ……あと膝枕は良いぞ
    沈思「こんなに好きになるつもりじゃなかったんだけどな」
    琥鴞こきょうは膝の上で微睡む無惨を見下ろし、その癖の強い黒髪を弄りながら呟く。

    元はと言えば生まれて初めて自分に匹敵する才能と思想と品格の持ち主、そして自分を遥かに上回る意思と生命の力に満ちた彼の姿に、朝廷暮らしで擦り減らした自我と欲を呼び覚まされたのだ。まつりごとに組み込まれた無味乾燥な人生を嫌悪し、知らぬ間に緩やかな絶望の道を歩んでいた自分に、彼は本当の人生を思い出させてくれた。初めから尊敬と親愛の情を寄せていたことは否めない。

    しかし、当時は彼の本性を今ほど理解していなかったのだ。自信に満ちた振る舞いは、他者に微塵も価値を見出さない過度な傲慢さからくるものだと知った。鋭い舌鋒は機知のみでなく、彼の生に根付いた深く絶え間ない怒りの現れだった。品性は病的な完璧志向と卑賤なるものへの嫌悪と蔑み、孤高は共感性の欠如、生命力は気も狂わんばかりの死への恐怖の裏返しだった。
    1910