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    さいさい

    PAST初出時のものです。https://www.pixiv.net/artworks/33511860(現在非公開)のキャプションとして載せた文章。RZ1前捏造
    Scapegoat(初期版)ユグドラシルへは公務の合間を縫って一度だけ踏み入ったことがある。自分の「オリジナル」がどういうレプリロイドであったのかを確かめるために。ネオ・アルカディアの最深部にあるというそれは巨大な機械仕掛けの大樹だった。驚くほど簡単に目的のレプリロイドは見つかった。大樹の根本に埋められるようにして、そいつはひっそりと目を閉じていた。自分に瓜二つであった。部品も、装甲も、造形も何もかも全てが。なんだ、こんなものか、と思った。同じ言葉を声に出して言った。「なんだ、こんなものか。」「こんなって、それはひどいな。」どこからか声がする。ネオ・アルカディアに属する者でもここはほんの一部の者しか立ち入ることは出来ないはずの場所に、誰かが潜んでいることなど有り得ない。思わず周囲を見回すと、弱々しく今にも消えそうなエルフが一体居た。「返事をしたのはキミかい」まるでそうだ、とでも言いたげにエルフが体を揺らせた。「キミがエックスだね」なんだ、このなれなれしいエルフは。思わず顔をしかめると、エルフは悪びれもなく、まだこの世界に来てから間もなくて右も左も分からないんだと、そう言ってのけた。本当に自分が話している相手がどこの誰かもわからないようだ。仕方なしに名乗りを上げた。「ボクがこのネオ・アルカディアの統治者エックスだ。失礼な言動は謹んでもらおうか。さて、エルフ。キミは何者だい。返答次第ではただでは済まさないぞ」エルフはしばらく考えていたようだったが、やがてこう言った。「ボクに名前なんかないんだ。ずっとここにいたんだもの。エックスさまが来てくれたから、これでやっとボクは外に出られるよ」体を揺らし、あまりにも無邪気にそういうものだから、拍子抜けしてしまった。もしかしたらこのエルフはオリジナル・エックスが封印された時、巻き添えを食ってしまった哀れな者なのかもしれない。それ以上相手にする気は失せてしまい、捕まえて外に出してやることにした。敵対意志を持っていないエルフの一体くらい外に放しても問題はないだろう。「ありがとう、ボクを外に出してくれて。エックスさま、大変だろうけどそんなに気負わないでね。」エルフは言うだけ言ってふっと姿を消した。全く、変なエルフだった。それからずっと後になって気づいたが、あれが本物の「エックス」だったのではないだろうか。もし仮にそうだったとしても、あの言葉は今も理解できずにいる。
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    ji999az

    SPOILERグウェン加入の日のソサエティ小咄。
    ミゲオハ、まだグウェンが加わったあたりならホービーの自由人っぷりにぶん回される度に怒鳴ってそうだなと書いてたら、漫才が延々続いてしまったので泣く泣く削りました。
    あの性格じゃ相当な時間掛けないと「お前の話は聞かない」まで到達できないと思うんですぉ……ばんがれミゲオハでもメンタルヘルスも受けようミゲオハ(主旨がずれてるキャプション
    あくろす小咄(SS加入初日編)。トンネルの向こうは…………って、いつだったか学校で読んだ本にはあったけど、広がっていたのは馴染んだ景色とはまるで違う白銀色の建造物。空にひたすら伸びていく道には特急列車と車が走っている。あれはどこまで行くんだろう。
    「スパイダーソサエティの本部にようこそ」
    『まだまだ改装中のエリアもあるけど、壮観でしょ〜』
    「ぅ、うん………凄い………!」
    マルチバースを守るスパイダーマン達の組織。さっきすれ違ったスパイダーマン達も歴戦の強者達。紛れもなくエリート達なのだと肌でも分かった。
    今日からはここで生きていくんだ、と脱いだマスクを握りしめる。
    元のアースへはもう戻れない。ここ以外、生きていく場所はない。
    わたしは、ここでわたしの居場所を勝ち取って証明するしかないんだ。
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