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    コーヒー

    niesugiyasio

    PAST原作軸エルリ連作短編集『花』から再録⑤『苦い味』
    ニコロはリヴァイに頼まれコーヒーを淹れることになってしまった。
    苦い味いつからそこにいたのだろう。片付けが一段落し、ふと振り返ったニコロは、食堂の片隅に人影を見つけ、それが誰だか分かって危うく悲鳴を上げるところだった。
    「ニコロ、だったな」
    マーレ兵捕虜は大勢いるが、名前と顔を覚えられてしまった者はごく僅かだろう。ほとほと運が悪い。パラディ島の調査のため、派兵された。ニコロの乗った船は一番乗りで着いたはいいがあっさり捕らえられてしまった。ひ弱に見えたせいかニコロは一人連れ出され、後続のマーレ軍に人質として晒された。
    「コーヒーってやつを淹れてもらいてぇんだが」
    リヴァイ兵士長は隅のテーブルの端っこに掛けていた。イェレナの提案でパラディの兵士達にマーレ料理を振る舞うことになった。その一日目を終えたばかりで、食堂は屋外にテントを設えてテーブルと椅子を並べた仮設のものだ。彼はいなかったが、昼間には調査兵団の面々が来た。食後はコーヒーか紅茶か選ばせる方式を取った。彼らとってコーヒーは未知の飲み物だったようだ。その話を聞いて来たというところか。
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    yuri_i71100

    DONEバンモモWebオンリー
    「百の恋と万の愛情を」
    開催おめでとうございます♡

    こちらはオンリー内企画、ワンドロワンライ第2回目に参加して書いたお話になります。
    ✿ワンライお題:コーヒー
    ✿旧時代設定
    ✿テーマ:ピクニックに行くバモ
    ✿鎌倉の海沿いでデート

    体の関係を匂わせる発言があり、えっちな雰囲気もあるかも?
    こちらの続きのお話もありますので、チェックしてみてください。
    かがやける日々の正体ずっとずっとつらかった。あの日々もあって良かったのだと背中を押してくれて、大丈夫だよ、そのままでいいよ、と言われた気がして、ものすごく救われた。初めてRe:valeのライブに行って曲を聴いたときの衝撃。全てをひっくり返す轟音。あれこそが百にとってターニングポイントだった。


    「春原くん、毎日楽しそうだね」
    「百くん、最近輝いてていいね」
    最近そう言われることが増えて、その度にどうしてそうなれたの? 何かきっかけとかあったの? と聞かれる。
    その度に、推しができたから、と笑って答えているのだけれど。
    本当の正体は他のところにある。



    「バンさんはね、めちゃくちゃ格好良いんだよ。目が合うとファンサしてくれる。モモもバンさんやユキに会ったら絶対好きになるから。ね、ライブ、行こうよ!」
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    sakaki_novel

    PAST第103回 安赤ワンドロワンライで投稿していたお話です。お題は【チョコレート】をお借りしました。
    pixivの方に赤井さんの差し入れコーヒーで始まるお話を載せましたので、再放送をば。
    安赤ワンドロワンライ【チョコレート】「あなたに毒を盛りました」
     自身のデスクで書類と睨み合う赤井の目の前に、降谷はトラベラーリッドが被せられた紙コップを一つ置いた。そして、もう片方の手に持っていた紙コップも、その隣に並べるようにして。二つのカップは大きさも模様も、巻かれたカップスリーブも全く同じで、どこかに目印がついている様子はない。無論、プラスチック製の蓋に覆われているからには、色や匂いも外からはわからない。
    「物騒なことを、随分と楽しそうに言うものだな」
    「ええ、僕の念願ですので」
     赤井の隣に立つ降谷は、くす、と笑みをこぼしながら、二つの紙コップの間で指先をゆるりと往復させた。
    「中身は近くで買ってきたコーヒーで、片方にだけ毒が入っています。あなたは必ずどちらかを選び、飲まなくてはならない。残った方は、僕が飲む。片方には死、片方には生が……ほら、あなたの好きな、あの名探偵が活躍する長編小説にも、そんなくだりがありましたよね? あれに倣った、賭けのようなものです」
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