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    ターナー

    EIGOnon

    DOODLE「ロマンスなんて知らない」の二人が過ごすバレンタインの話です。今度は間に合ったぞ!!
    ターナーくんが作っていたのはザッハトルテです。

    蛇足
    海外では贈られる側(女性)は赤い下着で相手を迎えるそうなんですけど、ボスの趣味じゃなさそうなので省きました(ネロくんはやりそうですが)
    これ以上ない程の愛を込めて〈月曜日、空いてるか?〉

     穏やかな昼下がり、使い慣れない携帯端末に表示されたのは、そんな短い単語だった。
     ネロは「月曜日」と単語を繰り返し、アプリコットを焚く手を止めてカレンダーを見やる。
     二月十四日。はて、と首を傾げる。ええと、何かあったよなぁ、この日。何だっけ。
     安物のカレンダーをじっと見つめるも、最低限の祭事しか書かれておらず、答えはない。
     兎角、月曜日は麦穂も休みである。
     土曜の夜から日曜にかけてはブラッドリーの家で過ごしてはいるものの、月曜はネロにとっては空いた休暇に過ぎない。
     掃除か苦手な帳簿付けくらいしかやることもなかった。あまり深く考えずに返答を寄越すことにする。
     〈空いてるよ〉と、爺かよと揶揄されるレベルで遅い打ち込みを以て送ったメッセージには、〈じゃあ夜に行くから、そのまま予定空けとけ〉と即座に返って来た。
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