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    トウマ

    amei_ns

    DOODLE不味そうに食べるトールとうまそうに食べる呂布の雷飛「貴様は実にうまそうに食べるな」
     スープを音を立てて啜っていたのでイヤミかと思ったがどうやら違うらしい。トールの言葉に裏はない。言葉そのままの意味だろうな、と呂布は思った。
    「そういうお前は不味そうに食うな」
     イヤミではない、とわかった上だが、口に出たのはそんな言葉であった。
     トールに招かれた食事の席である。呂布は多少薄味なところはあるが美味い料理を、遠慮などせずばくばくと食い荒らしていた。会話も少なく、本当に空きっ腹を埋めるだけのそれである。今日の呂布は腹を空かせていたので、それはもう、豪快に皿を空けていったのだった。
     トールは不味そうに食べる、と言われたことで少し目を見開いた。他人からどう思われていようが関係ないが、関係ないはずなのだが、呂布からそう見られていたというのは、あまり好ましくなかったのだろう。顔を顰めたトールは「しかたないだろう」と言った。
    「神にとって、食事とはあまり必要がない。うまいもの――珍しいものであればたしかに楽しむこともあろうが、こう言った日常のものは大抵飽きていることが多いのだ」
    「ふぅん?」
     呂布は興味なさげに相槌を打った。これが不味く感じる、 1546