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    ドルジ

    ogata

    DONE20230924 ジュン茨新刊(全年齢・文庫・P32・しおりつき ¥300)の全文です。
    『kiss,kiss,kiss, 』の続きにあたります。
    二人がホテルに泊まった日、茨がみた夢の話です。
    夢なので、捏造設定を大いに含む妄想短編のようなものです。
    (ifアイドルじゃなかったパロ・ジュン茨両片思い同居)
    夢なので、話が断片的でまとまりなくぽんぽん飛びます。悲恋注意報発令中。
    Paradigm Shift    * * * *


    「ねえ茨、まだ寝るんですかぁ?」
     額にツンツンという感触を感じて目が覚めた。
     ブラインドの細い隙間からこぼれる朝の光を背に、金の大きな双眸が茨を捉えている。もう一度目を閉じると、どうしようもなく大きな欠伸があふれた。
    「……何時ですか」
    「あ、起きましたね。朝の七時です。ブラインド開けますよぉ」
     言うか言わないかの間に、眩しい光が寝室に差し込んでくる。
     ジュンはTシャツに短パンのラフな姿で、すでに出かける準備を済ませていた。
    「朝ラン行こうって約束したでしょう。忘れてました?」
     眼鏡を掛け、見慣れた景色が視覚に入ると、脳は倍速で覚醒を始める。
    「ええ、忘れてませんよ。ですが、家を出るまでにはもう少し時間があるでしょう。十分間に合います、大丈夫です」
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    ・中夜

    DONEジュン茨ワンライ【ドレスアップ】

    王道クリスマスに浮かれるジュンくんと、同じく王道クリスマスに浮かれる茨さんの話。


    ※茨さんはアイドルじゃないときもメンズメイクをすることがあると思っています。顔面が効きそうな商談とか、何かの催し物にお呼ばれしたときとか…。なぜなら目的のためなら手段を選ばない人だから。
    雪に咲く華の、それはそれは朱きこと 綺麗な姿はいつも見ている。
     ファンデーションの上からまた何かの粉を叩いて普段からスベスベしている肌をより一層煌めかせ、目元にはジャケットに合わせたほんのりの青と、大きな瞳を引き締めるさりげないグレー。ばさばさ音を立てそうな睫毛は軽く流れを整えるだけでクルンと天を向き、仕上げにリップクリームをん〜ま…っと塗り込めば光の粒がぷるぷる弾けた。
    「……で? さっきからなんなんですか。鬱陶しい」
    「え〜。や、綺麗だなー…って」
    「は?」
    「なんでキレるんすか……」
    「いえ別に怒ってはいませんけど」
    「えぇ……。それにしちゃあ言葉の圧が強いっすよぉ〜?」
     共演者の女の人が持ち歩いているものよりはだいぶ小さなメイクポーチ、ポーチというよりは小銭入れにも見えるサイズのそれをポイッとハンドバッグに放り込んで、着込んだコートのボタンを留めながら茨は片眉を持ち上げた。
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