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    ハテノ村

    Na0

    PROGRESS1122の日に向けてポツポツ更新していきたい。『それはきっとあなたとだから』の続きです。当日まで書ききれるか微妙というか無理な気もするのですが、あきらめたくないので。ハテノ村の人達と夫婦な二人の話になる予定。(11/02一部校正)
    それはきっとあなたとおなじ(仮)11
     常に冷たい風が吹き下ろすハテノ村。
    だがふいに勢いが増し、あたたかな物が混じると、灰白色の雲が筋状に浮かぶ漆黒の空がやにわに明るくなり、水平線が光の線を描いて、その向こうから太陽がゆっくりと昇りはじめた。
     ラネール連峰のウォルナット山の影を切り抜くように空が白み、村の赤い屋根や風車の白い帆が大地に浮かび上がる様にして姿を現してくる。そうして静かに、しかし、速やかに村外れまで夜が明けて、それからようやくエボニ山の裾野に建つ古民家にも朝日がさすのだ。
     夜半過ぎの雨で濡れた屋根が、キラキラと光を空へ帰すように輝き、シンボルツリーの緑は負けじと風に揺れながら緑を飾る光の粒を大地に落としていた。
     鎧戸を閉め切った暗い部屋。明り採り用の小窓から、それらが優しく反射して差し込み始めると、寝台の上でぴったりと身を寄せ合った2つの姿を浮かび上がらせた。
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    Na0

    PROGRESS私的な記念日なので、書きかけあげておきます。
    たぶんキスの日の前くらいから書いては放置を繰り返している作品です。

    ハテノ村の恋人リンゼル。
    私は、リンクを回生ベースに近衛の記憶が『のってる』イメージの設定で書いてます。
    恋人になるとややフラット気味。
    この後、いちゃこらいちゃこらさせたい。今もいちゃこらしてるけど。
    喋々喃々 二人がハテノで暮らし始めて初めての夏を迎えようとしていた。
    宵の口。窓からは爽やかな夜の風が、夏草の香りと虫の鳴き声を運んでくる。
    それはこのハテノで短く、貴重な過ごしやすい季節の訪れを告げていた。
     しかし、この家に住む恋人達は、そのどちらにも気づかないようだ。
    睦まじくささやき合い、時折どちらかの笑い声があがる。
     今夜はちょっとしたお祝いだった。
    家の改築が終わり、新しい家具を入れたのだ。
    平和な世には不要と無骨なスタンドを減らし、一階奥にスペースを作った。
    柱や床には蜜蝋とハーブを塗り、爽やかな香りのするそこに、二人で腰掛けるのに十分な大きさのソファーと小さなテーブルを置いた。濃紺のソファーは、この村の顔見知りの棟梁に苦心してもらった。ソファーという物を知らない者に、図を描き、丁寧に何を求めているのか説明をして、素人の彼等が知り得る技術を伝えた。
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