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    ベッド

    karakusa28883

    DONEベッドを出ていく彼を引き止める方法について
    シャワータイムラブストーリー「シャワーを浴びてくるよ」
     ケント・ネルソンはそう言って、もぞもぞと身じろぎした。胸の上に絡みついていた、事後の熱冷めやらぬカーターの腕をするりと押しやり、おざなり程度に裸体を隠していたシーツの中を泳ぐようにしてベッドを出ていこうとする。その腰のラインや足の付根や、乾いた太ももを名残惜しむようになぞってみたけれど、ケントの方はくすぐったそうに笑いながら、そっとカーターの意図を阻止してくる。
    「ケント」
    「すぐに戻るよ」
     一枚しかないシーツをぐいぐいと引っ張られるのを成すすべなく持っていかれる。
     ケントはいつだって、一人先にベッドを出ていく。別に、事後の甘ったるい雰囲気が嫌いだとか、くすぶる熱を探り合う駆け引きが嫌だとか、そういう理由でないことはカーターもよくわかっている。単純に、ケント・ネルソンという男は綺麗好きであり、やや潔癖なところがあるというだけのことだった。つまるところ、激しく求め合い、互いの乾いた肌が汗に濡れて、ぬるついた体液を混ぜあい交わり、緩やかに乾いて冷めるよりも前に、すっかり洗い流したいという、ただそれだけの理由だった。だから、綺麗さっぱり汗と汚れを流し、満足いくまで温かい湯に体を沈めて、まるで一種の儀式のようなシャワータイムが済んでしまえば、彼はこざっぱりした格好でベッドへ戻ってきて、カーターをシャワールームへ押しやる。
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