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    ホワイトデー

    𝓪𝓶𝓾

    DONEあまいとこ:🐑🔮
    ホワイトデーの二人のお話です。
    この前のシチュアンケの結果「いちごのおいしいところ」が投票数多かったので、題材はいちごになりました。
    ご協力いただき、ありがとうございました♡
    あまいとこ綺麗に磨き上げられたシンクで、ふーふーちゃんが何かしてる。
    ふーふーちゃんがシンクを使うのは、ケトルに水を入れるときか、家じゅうにある植木のお世話をするときくらい。あぁ、あとはあったかいタオルを作るときぐらい?
    彼の体のつなぎ目は、急激な気温の変化に弱い。冷え込んだ朝や凍るような夜にはホットタオル、暑くて目が覚めた朝や、暑い中外に出かけた後は冷えたタオルで、それこそこの時代では彼しか持たない唯一無二のつなぎ目のケアをしてる。

    話が脱線したけれど、今はシンクで何してるかって話。
    散歩はもう終わってるし、昼食もとって、何なら食後のコーヒーももうすんだんだけどな…何か洗うものなんてあったっけ?


    昼食後、薄いカーテンを通り越してポカポカと暖かい日差しが差し込むリビング。そのソファの上におれはいて、ふーふーちゃんのお気に入りの窓際の椅子の横には、愛犬と愛猫が仲良く転がって日向ぼっこをしているのが見える。
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    テラ小惑星

    DONE🍱🐝ホワイトデー
    前回のバレンタインの続きです。

    きっと🐝は帰宅後に贈り物の意味を知ってしばらく落ち着かない。
     太陽が頂点に昇る昼さがり、人っ子1人いない屋上、片手に携えた弁当が入っている袋。この3つが揃ってやっとヤスの数少ない平穏な日常が訪れる。
    「…………」
    屋上へ続くドアを開けて、いつも通り定位置である扉すぐ横の落描きまみれな壁の前で腰を下ろす。今日は少しだけ肌寒い風が吹いている。だがそれもまた心地よい。
     普段は定位置に着くとすぐに弁当箱を開けるが、今日はフェンス越しに屋上から見える空を眺めてから弁当を食べ始める。その時の心境も少し違った。
    (あいつ…来ねぇな…)
    普段は弁当をよく味わいながら食べるがこの昼休みの平穏を乱す存在が訪れるかが気になって仕方がない。
     少なくとも学業の最中2日に1回は俺の目の前に現れる奴だ。登校時に学校の正門の前で仁王立ちして待ち伏せした日にはウンザリするし、俺の教室やこの屋上に来て勝手に隣でパンを食べ始めた時は一人で過ごさせてほしいと常々思いながら同じ空間で過ごしている。午前中の休み時間やチャットで『今日はクラスのダチと昼食うから来ねぇ』と言われた日には本当に放課後まで顔を出さないこともあるが、午前中にそのような連絡が無かったからおそらく今日も来るのだろう。こうして無意識に待っている時点であいつがほぼ毎日押しかけることも日常のひとつになりかけている気がする。
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