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    モリ

    mmmuutoo

    DOODLE五さんの独白。映画を受けての小話。全くカプ要素はないつもりだけど、五伊地の人間が書いてるのでそういったエッセンスを感じるかもしれない。
    スーパーヒーローの手 あの春、呪術高専に入学したのは地味でひょろっこい眼鏡のさえない男子が一人だけだった。地方から上京してきたらしいそいつは、見るからに頼りなく、自信もなさげで呪力量もなければ術式もないし体力もない。それをカバーできるような器量もない。そんなやつだった。でも「五条先輩」って後輩から呼ばれるのは悪くなかったし、二年生の二人とは全く違うキャラクターの伊地知は一の力で突けば十の勢いで飛んでいくようなそこそこ面白いやつだった。
     春には七海たちの時みたいに歓迎会をして、京都校との交流会は伊地知がズタボロになってんのがウケて、お疲れさん会で遊園地に行って、任務と学生生活とをそれなりに楽しんでいたと思う。徹夜でゲームするんですか⁈ ってビビりながらもちゃんと言われた時間に僕の部屋にみんなで集合して、しっかりコーラ飲んでポテチ食べてた図太さに笑ったのを覚えてる。まさに青い春。実質学生としては最後の年、なにして過ごそうかって、そう思ってた。あいつらと顔を合わせるだけで楽しかった。
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