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    ラハ

    aki

    DONEカドぐだ♀双六アンソロに寄稿しようと思って書いた作品で、以前SNSに投稿した作品のぐだちゃん視点リメイク加筆修正版です。
    やっぱりアンソロには一から書き下ろそう!と新たに別作品を書いたためこちらは展示に回すことにしました。
    たとえこれが夢だとしても! 透き通るような白い肌がしっとりと汗ばみ、火照っているのかほんのり赤く染まっている。
     意識が朦朧として倒れそうになったところをその汗ばんだ腕に抱き止められた。肌の温度を直に感じる距離で、虚ろに視線を寄越した先には細身だが筋肉質で引き締まった腹と二つの黒子が見える。

     カドック、こんなところに黒子があったんだ——。


     そんな、夢を見た。


     いや夢にしてはあまりにも生々しすぎる。黒子の位置なんて妄想だとしてもマニアックすぎるし、汗ばんだ肌が触れた感覚も支えてくれた腕の温かさも何故だかありありと思い出せるのだ。
     それに、夢の記憶はそれだけではない。カドックの運転する車の助手席に乗ってドライブをしていたこともうっすらと覚えている。珍しくサングラスをかけていて、横顔がかっこいいなぁと思って眺めていた。だが別にデートというわけではなく、後部座席には新所長と、なぜかオベロンも同行していたような気がする。でもみんなでドライブをしているのにあまり楽しい雰囲気ではなくて、何か切羽詰まった状況にあったような、そんな気がするのだ。夢なので明確に何に切羽詰まっていたのかは分からないのだが。
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    DONE朝のラハひろ
    You make me breathe, I will never let you down.ふと意識が浮上した。

    悪夢を見た訳でもなく、なにかの騒音があった訳でもなく。眠気もさっぱり消えて、またたきの間に瞼をひらいたかのようだった。
    シーツはさらりと乾いていてあたたかく心地よい。隣でまだ眠っている男のかすかな呼吸音が聞こえる。いつのまにか抱きこまれていたようで、頭上にかかる吐息がすこしくすぐったい。
    夜と朝の狭間だろうか。部屋全体が青く染まっていて、まるで海の底のようだった。一糸纏わぬ男の肩越しに見えるカーテンからは朝の気配が差し込みはじめていて、ひかえめに息を吸い込むと、男のかすかな汗と本来の匂いと、朝のつめたい香りが鼻を抜けた。

    起こさないよう注意を払いながら己を抱き込む男の顔を見上げる。手入れのされていないかさついた厚めのくちびるはわずかに開いていて、つるりとした歯とその奥の肉の色が覗いている。朝になって幾分濃くなった髭を見る度に意外と手入れをしているのだな、わりと気に入っているのだろうか、と思う。目元に刻まれた傷や皺のうえ、かすかにあかく染まった目尻が昨夜の名残を感じさせて、腹の空くような思いがした。散々貪ったというのに。
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