Be a family with me.「んじゃ、今度のドライブはオレが運転するか」
　ブラッドは瞬いた。
　
　ブラッドが左腕を負傷したのは、今は所属セクターも異なる年下の恋人、鳳アキラとの一か月振りのデートを控えたその四日前のことだった。
　第13期研修チームが解散して早三年。チームの解散と同時に交際を始めたブラッドとアキラの関係も、もう三年目になる。
　はじめこそ同じサウスセクターのヒーローとして研修チームを離れてからも任務で顔を合わせることが多かった二人だったが、ブラッドがノースセクターの所属へ戻ってからというもの、休日が重なることは極めて少なかった。顔を合わせるのは時折タワーですれ違う時や合同のミーティングがあるときか、数少ない休日に互いの家へ訪れるときばかり。ブラッドは何度、一緒に住んだ方が効率的だと言いたかったか分からない。

サラリーマンザガ〜ロリコン捜査官前編「寺田先生ーー受け持ちの美少女児童と付き合うとはこれぞ究極の男のロマンだな」
あの名作少女漫画を片手に思わず本音が漏れる座臥人。
「何が男のロマンだアホンダラー！！」
嫁である。
「それより聞いて頂戴。最近この辺りで通学中の女子小学生に声をかける不審な男がいるんですって。まさか座臥人じゃないでしょうね？」
「不審者と聞いて真っ先に夫を疑う嫁があるか！」
「寺田先生に憧れておきながらよく言うわ。でも座臥人じゃないなら頼みがあるの」
それは出勤前に不審者出没現場に行って犯人を捕まえてこいという司令だった。
「ロリコンの座臥人だからこそ同類が見抜けるんじゃないかと思うのよね。ご近所の平和を守る大事な役目よ☆」
某カードキャプターのような使命を担わされ翌朝通学路へ赴く座臥人。